「剣扇演舞」は、web小説(10本)、書下ろし(1本)の計11本の小説を収録しております。
収録内容は下記の通りです。 「剣扇演舞」 web再録 帝弟殿下ハクでオシュトルと手合せ。オシュハク。 詳細はこちら 「星を砕いて抱き締める」 web再録 ハクを監禁したいオシュトル。オシュハク。 詳細はこちら 「再雷(ツァイレイ)」 web再録 ミカヅチの遅い恋心の自覚と、リベンジの話。ミカ→ハク。 詳細はこちら 「再雷・裏(ツァイレイ・リ)」 web再録 「再雷」のオシュトル視点。オシュ→ハク。 詳細はこちら 「奪われたくない」 web再録 オメガバース設定。現パロ風。会社の同僚なオシュハクで、腹黒α×ゲスα。 詳細はこちら 「ハンバーグ〜モロロのポタージュと共に〜」 web再録 お料理するハク殿ハンバーグ編。ウコ→ハク。 詳細はこちら 「この手を取って、愛されるひと」 web再録 周りが引くぐらい甘々なオシュハク(ウコハク)ver.1 詳細はこちら 「親愛なる君に決して尽きぬ祝福を」 web再録 周りが引くぐらい甘々なオシュハク(ウコハク)ver.2 詳細はこちら 「最後の『ひと』がいなくなる日」 web再録 オシュハク・ウコハクにしか優しくないエンド(オシュ様によるハク殿お迎えエンド)。 詳細はこちら 「そして貴方はいなくなる」 web再録 仮面の力を使うオシュトルの代わりに、魂の摩耗という代償(+α)を引き受けるハクの話。 詳細はこちら 「剣扇演舞 前日譚」 書き下ろし 《サンプル》 (前略) 「良い手だ。が、こう攻められたらどうする?」 そう言ってライコウはパチリと盤上に駒を打った。必要な駒を犠牲にして、目的を達成する戦術。彼が実際の戦で行うそれと全く同じもの。今のハク側の配置では敵の思う壺だと知りつつも打たれた駒を取らずにはいられない。苦々しい顔でライコウが打った駒の正面にいた自陣の駒を動かす。次いでその駒を取るライコウ。ハクの眉間に僅かな皺が寄れば、それを見たライコウがふっと口元に笑みを刻む。 「相変わらず自分の駒(へい)が落とされるのを嫌うか」 「遊戯だろうが実際の戦だろうが、落とされないで済むなら落とされない方が良いだろう」 「ふむ。為政者としては好ましいが、采配を振る者としては少し足りぬな」 「はいはい、我が國最高の采配師殿で為政者の素質も併せ持った聖賢様の言うこともごもっともで」 「そう拗ねるな。為政者としては好ましいと言っているだろう。それに貴様と戦をすればきっと楽しいとも思っている」 「うわ、怖いこと言うなよ。お前が敵に回ったら厄介この上ない」 (確実に、な) 記憶の中にしかない目の前の男の所業を思い出し、ハクは胸中で独りごちる。純粋な暴力とはまた別の次元で彼は大変な強敵だった。が、それと同時に彼の胸の内に抱えているものの片鱗を知る者として、大変好ましくも思う。ゆえに今こうして盤上遊戯にふけることができるのは喜び以外のなにものでもなかった。 (以下略) |