伝えたい言葉があった けれど、最後まで伝える事はなかった
決して言えるはずのない言葉があった
ねぇいつだって言わなかった想いがあった 貴方のその苛立ちは内の苦しみを紛らわすためのものだって 俺は最初から気づいてたよ 何がそんなに苦しいの? 俺だけじゃ、その苦しみを取り除く事は出来ないの? 貴方のためなら何だって耐えて見せるのに いつでも笑っていられるのに ただ、苦しんで欲しくなかった 苦しみを取り除き、失くした心の安定を与えたかった そのためなら何だって・・・この言葉すら封じ込めることも厭わないのに
そんなときにまで笑わないで欲しかった
否、誰にもその笑顔を見せて欲しくなかった その目で捉えるものも、その口から紡がれる音も 全て、俺だけにしてくれと願った 苦しい その苦しさを紛らわすように痛みへと変換し 痛めつけるのは相手の体と自分の心 けれど、同時に いつまでも消されない痕が愛しくて仕方なかった そして 本当に伝えたい言葉を伝えられなくなっていくのが怖かった
伝えていない言葉が、まだまだ沢山あったんだ
たった一つだけでもと思う言葉すら伝えられなかったんだ 今となってはもう遅い ただ一言 愛している、と |