一番最初の記憶は己を罵倒する母親の姿だった。
お前はわたしの子供なんかじゃない、この悪魔め!とヒステリックに叫ぶ彼女の相貌は、元々整った顔立ちであったにも関わらず、醜いとしか言い様のないものだった。が、それでもやはり己にとってその女性は母親であり、また唯一の肉親でもあったのだ。父親はいない。自分が生まれる直前に戦争で死んでしまったと聞かされていた。 「お、かぁさ、ん・・・」 「近寄らないで!汚らわしい!!お前なんか生まれなければよかったのに!!」 伸ばした手はぴしゃりと撥ね除けられ、目的を失った小さな右手の甲がじんじんと痛みと熱を持ち始める。 この彼女の変貌は勿論、自分が『玄冬』であると知られたためだ。どういう経緯でそれが明らかになったのかは残念ながら知らない。王宮から(正確には白梟から)遣いが来たのだろうか、それともこの村で変な噂が立ちでもしたのだろうか。わからない。ただ明らかなのは、つい先ほどこの女性が「己の子=玄冬」という図式を知り、子を子として認識出来なくなってしまったという事実のみ。そして彼女は他の世間一般の人間と同様に『世界を滅ぼす玄冬』に憎しみを、またそんな存在を産んでしまった後悔を胸に抱いているのだろう。 幼い自分は母親の急変に恐怖と不安を抱き、涙が溜まった目を大きく見開いている。だがその目が捉えたのは引き攣った母親の顔、そしてそのまま彼女が背を向ける姿だった。 ぶつり、と意識が一瞬途切れてまた繋がる。 視界に映ったのは先刻までの壊れた家庭ではない。暖かな暖炉、椅子が二つとテーブル、キッチンらしき奥の天井からぶら下がっているのは干し肉か。そこは広くも狭くもない(ただし二人が暮らすには充分な広さの)家だった。 ―――ここは黒鷹の家。あのあと生家を追い出された己は全てを知っているような(実際、全てを知っていたのだろう)顔の黒鷹に拾われ、この家へとやって来たのである。 連れて来られたばかりの頃は何も解らずひたすら戸惑い続け、また実の母親に拒絶されたことでひどく落ち込んでいたために、あれこれ世話をしてくれる黒鷹には本当に迷惑をかけたと言えるだろう。だが一ヶ月、半年、一年と月日が過ぎるうちに少年から青年へと成長した己は黒鷹との生活に徐々に馴染むようになっていった。 彼と暮らす中で殊更しっかりと話して聞かされたのは『玄冬』や『花白』、そしてその二つの存在を補佐し、またこの世界を律するシステムの管理者である『黒鷹』と『白梟』のこと。しかし玄冬がこの世界の運命を(一時的とは言え)握っているという事実を話しはしたが、その続きとして黒鷹が青年に死を求めることは無かった。玄冬と呼称されるべき青年を決して玄冬とは呼ばず、いつも気の抜けた愛称で呼びながら「キミにだけ生きる権利が無いなんて不公平でしょ?」と笑って言い続けたのである。ちなみにそれでも当初の青年(まだ小さな子供だったが)は母親に捨てられたことと己が世界の害であることを知って自ら命を絶とうとしたのだが、新しい育て親に「キミが自殺してもシステムの『人数計算』に入ってるから、もしかしてキミの死で世界が本当に終わってしまうかもしれないね。」と脅されて断念した。(それでも素直にやめようと思ったのは、やはり死ぬことが怖かったという理由もあったのだろうが。) とにかく黒鷹のそんな態度のおかげか、一時は救いようがないほど落ち込んでいた青年も人並みに生きる意志を持てるようになっていた。なので。 「黒鷹、お前また肉ばっかり食べて・・・!」 少年がある程度成長し、自ら料理が出来るようになって以降、少年改め青年は眉間に皺を寄せてそんな台詞を紡ぐことが多くなった。理由は単純明快、言葉の通りである。 つまり青年の育ての親――ただしいつまでたっても見た目が変わらない所為ですでに『親』とは言いにくくなっている――が料理を作れば、それはとても『料理』とは言えない生肉フルコースとなり、また青年が野菜をふんだんに使った食事を用意すれば、肉だけを選って食べ、また酷ければ手をつけずにどこかへ行ってしまうのだ。 「しょうがないよ。だって僕は黒"タカ"。人型だけど基本は肉食の鳥だからね。食事は生肉じゃないと。」 「そう言いながら野菜だって本当は食えるんだろうが。」 「・・・キョンは好き嫌いっていう言葉を知ってる?」 「食べろ。問答無用で今すぐ野菜を食べろっ、この偏食家!!」 そして、折角俺が丹精込めて(畑まで手作りして)作った野菜なのに!と続く。「肉ばっかり食べて・・・!」という怒りの声の後にかなりの高確率で放たれるそれを黒鷹が右から左へと聞き流すのもいつものことだ。 が、そんな穏やかな生活も数年経たぬうちに変容を見せ始めた。 「今年は『春』が来ないかもしれないな・・・」 家の裏の畑――この家は人里離れた山奥に在るため、食料もほぼ自給自足となるのだ――で手入れをしていた青年は己が吐き出した白い息を見つめてポツリと呟いた。 この国が温暖な地域だったこともあり、子供の頃ははっきりとした四季があった。しかし己が成長するにつれて一年のうち息が白くなる期間が大部分を占めるようになり、世界の限界まで秒読み段階であることを嫌と言うほど体感出来るようになってきている。それこそ本当に青年が自殺した瞬間にその死が"限界越え"となって世界の滅亡に至ってしまってもおかしくないほどに。(と思うのと同時に、幼少期に黒鷹が告げた脅しは単なる慰めであったことを理解して苦笑する。もしあの頃に自殺したとしても、まだ世界には余裕があって、それで(『玄冬』以外の)全てが上手く行っていたはずだ。) 冬は世界の死。このまま『玄冬』が生き続ければ、やがて世界は真白の雪で閉ざされ、全ての生物が死に絶えるだろう。管理者二人と人々の罪の化身―――『玄冬』だけはシステム上生き長らえるという話だったが、それでも世界が死ぬことに変わりはない。 「それこそ世界の方を取るなら『花白』を待つしかないってわけか。」 世界を取るとは、つまり自身が死を選ぶと言うこと。青年はそう呟くと共にうっすらと自嘲の表情を浮かべた。と、その時。 「でしたら今ここで殺して差し上げましょうか?」 「っ、誰だ!」 今まで気配を殺していたのか、感じとしては突如として現れたかのように、青年が振り返った先に一人の男――とは言ってもそう年齢に大きな差があるとは思えない――が立っていた。ひどく、見目麗しい男だ。整った優しげな顔立ちに浮かぶのは控え目な微笑で、育った環境のため俗世に疎いと自覚している青年から見ても街に行けばかなりの数の女性から熱の篭った視線を向けられるだろうと予想するほど。しかし生憎その相貌に宿る剣呑な光が全てを台無しにしていた。 こちらに向けられた敵意を読み取って青年は眉間に皺を寄せる。 「・・・こんな山奥に人が来るなんて珍しいな。何の用だ。」 「おや、解っていらっしゃるのでは?このような辺鄙な所にわざわざやって来る人間の用事なんて一つでしょう?」 はっと嘲りながら答える男。丁寧な口調で発せられる言葉には訛りが無く、この人物が王都もしくはその近辺の出身であることを窺わせた。本当にこんな片田舎のその更に山奥に現れるとは思えない人物である。 (ってことは、つまり"そういうこと"なんだろう。) 胸中で独りごち、青年も口角を上げる。ただしこちらは自嘲の笑みで。 「俺を殺しに来たのか・・・『花白』」 「ええ。僕は『救世主』。あなたを殺せる唯一の人間です。ここに来たのは勿論あなたを殺すため。・・・本格的に猶予が無くなってきたようですから。」 白い息を吐き出して『花白』の役目を負った男が答える。 「すでに一年の殆どを冬が占めるようになり、加えて隣国との境界では小競り合いが勃発している。大きな戦争に発展するまでそう時間は無いでしょう。こんな時勢にあなたを生かしておけるような余裕は、もうこの世界にはありません。」 「俺が今まで生きていられたのはお前らの温情のおかげってわけか。」 「傲慢ですが、つまりはそういうことです。」 にこりともせず、男はただ肩を竦めた。 「・・・実際、このままで世界が存続出来る期間はどれくらい残ってる?」 「おや、『玄冬』も随分と生き汚いんですね。ご自分が一日長く生き延びるだけで世界はその寿命を縮めているというのに。」 「解ってるさ。だがそれでも俺は俺を産んでくれた人や俺が生きることを許してくれた人への感謝を込めて、残された期間を精一杯に生きたいと思ってるんだ。」 (・・・いや、そういう言い訳を用意して俺自身がただ死にたくないだけなのかもしれんがな。) 「そうですか。・・・まあ、」 青年が胸中で付け加えた自嘲に気付くわけもなく、花白は一端言葉を切って双眸を眇める。冷めた目は相変わらずで、今度は更に嘲るような色が加わった。 「どうでもいいんですけどね、あなたの事情なんて。」 「・・・!」 口元をゆるやかに持ち上げ、いつの間に抜いたのか―――花白が腰に下げていた剣を青年の首に宛がう。薄皮一枚切り裂いて本気を表す剣に震えは無い。 向けられる言葉と態度に青年は息を呑み、相手を見ることしか出来ない。強烈な敵意を含んだ表情はかつて母親に拒絶された時とはまた別の痛みを青年に齎した。今まで極力『玄冬』を憎む人間とのかかわりを避けて――実際には黒鷹の手によって避けられて――いたため、このように直接感情を見せつけられたことが無かったのも大きな衝撃を受けた理由だろうか。 固まる青年に花白は「よい覚悟です。」と微笑む。自分の正義を信じて疑わない顔だと思った。そう、事実『花白』とはそういう存在なのだ。人を殺しても許される存在、玄冬を殺して世界を救う救世主。死ななければ世界を滅ぼす玄冬と対称の位置に立つ花白には己を正義だと信じられるだけの理由がある。 (ここまで、か・・・?) 青年が胸中で独りごちたその瞬間。 「そこまでにしてくれない?」 現れた第三者の声は青年がよく知る人物のそれだった。 「黒鷹、」 「白梟から話は伺っています。あなたが黒鷹ですか・・・随分とお若い。いえ、僕らと同じ年頃のように見えますね。」 「うるさいよ。そんなことは、それこそ"どうだっていい"んだ。」 花白に冷たい視線を向け、現れた人物―――黒鷹が嘲りと共に言い放つ。 「世界の限界まではまだ余裕があるはずだよ。花白・・・キミん所の白梟もそれは解っているはずだ。」 「おや、早々にバレてしまいましたね。さすがは管理者。」 おどけたように花白が言い、青年をチラリと見遣る。その視線に謝罪の気持ちなど微塵も無い。 黒鷹はそんな花白に向ける視線の温度を更に下げて苛立たしげに、見下すように、憎むように鼻を鳴らす。 「ふん。世界が限界だと言えばキョンが殺されることを許してくれるとでも思った?国に飼われた花白"ごとき"が。自分がしようとしていることの意味すら碌に知ろうともせず、いい気なものだね。」 「それはどういう―――」 己が信じる正義を貶められたためだろう。微笑を消し去り、花白が鋭い目で黒鷹を見返した。が、黒鷹はその視線に答えず、相手にそれ以上喋らせる暇を与えないほどに素早く続ける。 「それにキョンに向けるその態度・・・キョンを憎めば自分の『殺人』は正当なものになる、と?ああ、そうだろうね。『花白』が『玄冬』を殺すことは世界のルールが認めている。でもそうやってこの世界のシステムに関わる者ならちゃんと知っておくべきなんだ。『花白』がどういう存在であり、『玄冬』の誕生がどんな意味を持っているのか。そして知っているなら今のキミのような態度は絶対に取れないはずだよ。」 「・・・・・・。」 「・・・白梟が教えてくれなかったっていう言い訳は聞かないから。キミが花白だと言うのなら、無理にでも聞き出して知っておくべき事柄なんだ。でも現実として、キミは知ろうともしなかった。きっと知ってしまえば自分が背負う罪に耐えられなくなると気付いて。ねえ、そうだろう?」 嘲る顔で黒鷹は口元を吊り上げ、そして黙る花白に向かって仕上げとばかりに言い放った。 「この、人殺し。」 「・・・っ!」 黒鷹が放った最後の一言に花白がひどく動揺を見せた理由は、青年には分からない。それまでの嫌味ならば然程変化の見られない表情で受け止めていたと言うのに。 そしてまた、青年も次に取った己の行動の理由が分からなかった。まさか先刻まで殺されかけていた自分が殺そうとしていた花白を――― 「キョン、」 「黒鷹・・・」 ―――背に庇うなんて。 「ごめん、ごめんよキョン。強く言いすぎた。止めるからそんな怖い顔しないでってば。」 青年自身には見ることが叶わないが、黒鷹の台詞からすればどうやら怖い顔をしているらしい。どうして自分が黒鷹にそんな顔を向けているのか。向けるならば黒鷹ではなく花白ではないのか。花白を背に庇うのではなく、本当なら己を擁護してくれる黒鷹の側につくべきではないのか。 理性と行動が合致しない青年だが、それでも黒鷹の方はその理由を知っているらしい。彼は一つ小さな息を吐き出すと、眉尻を下げて優しく微笑んだ。 「ホントにキョンは人がいいんだから。」 呆れるように、誇るように、喜ぶように、哀しむように。 青年にこれ以上のことを止められた黒鷹は、しかしすぐさまその何とも言えない複雑な表情を微笑に塗り変えると、頭を振って二人に背を向ける。 「黒鷹・・・っ、」 引き留めたいのか、どうしたいのか。分からなかったが青年はその背に呼びかける。 黒鷹の足はわずかに逡巡を見せた後ゆっくりと止まり、こちらを振り返った。その顔に浮かぶのはやはり先刻と同じ微笑で、何を考えているのか悟らせない。 「こいつは、」 言いながら人殺しと言われて以降、視線を地面に固定して俯いてしまっている花白にちらりと視線を向ける。このまま放っておけばいずれ正気を取り戻して再び青年に剣を向けるかもしれない。だがこんな寒空の下、それまで立たせておくのも忍びないと感じているのもまた事実。 黒鷹の主張から考えれば、今のうちに縄で簀巻きにして動きを封じるなり何なり、とにかくもう二度と青年が危険な目に合わされないようするのがベストだとは理解している。しかし青年はどうにもそんな気分になれなかった。 迷うこちらの視線を受け取り、黒鷹は微かに双眸を狭める。彼も幾らかは迷っているようだった。自分の意志を通すか、青年の意志を通すか。だがその黙考もすぐに終わり、黒鷹は肩を竦めて口端を持ち上げた。 「キョンの好きにしなよ。」 「いいの、か?」 「結局のところ、決めるのはキョン自身だからね。僕はあくまでキミの補佐係。・・・ま、花白ンところの補佐係さんは些か干渉が過剰すぎるみたいだけど。」 苦笑と共に黒鷹は答え、再び背を向けて歩き出す。その背を見送ると青年は花白を名乗る相手の方に振り返り、「なあ、」と呼びかけた。 「・・・・・・。」 花白は応えない。余程、先程の言葉がショックで立ち直れていないのだろうか。それとも『玄冬』ごときの呼びかけに応える義理など無いとでも言うつもりか。 そう考えながらもしばし相手側の反応を待っていた青年の耳に小さな声が聞こえてきた。 「キョン、ですか・・・」 「・・・?」 その小さな声は確かに目の前の男から発せられているもの。しかしこちらの呼称を呟く意味が解らない。 内心首を傾げる青年に答えるかの如く、花白が顔を上げた。彼の表情から察するに、黒鷹の一言による落ち込みからは回復したと見てよいのだろうか。いや、それとも玄冬相手にいつまでも情けない姿は晒せないと無理をしているのか。 「生きているだけでこの地の命を奪うあなたの呼び名がそれとは。随分気の抜けた・・・いえ、平和な呼称だと思いましてね。」 「それはどうも。・・・で、そういうお前の名前は?」 花白の言い方には多少ムッとくることもあったが、青年はそれを抑えて相手に問う。そう言えば自分はこの男の名を知らなかったな、と。 (それにもしかしたら呼び名を笑われた仕返しが出来るかもしれない・・・なんてな。冗談だ。) するとどうだろうか。まさか殺すべき相手の問いに花白が素直に答えてくれるとは思っていなかったのだが、男の反応はそんな青年の予想を裏切って、こちらに「ポカン」という形容でも付けたくなるような間の抜けた表情を晒して見せた。 「僕の名前、ですか?」 「ああ。・・・何か可笑しなことでも訊いたか?」 「いえ。」 男は頭を振って続ける。 「しかしながら先程あなた自身が僕を『花白』と呼んだではありませんか。」 「それはお前の役目であって名前じゃないだろ?俺はお前の役割じゃなくてお前自身のことを知りたいと思ったんだよ。いくら殺伐とした立場であってもそれくらい許されるだろう?」 ニッと笑ってそう答える青年に、花白は一瞬、なんとも形容しがたい表情を浮かべた。笑っているのか、泣いているのか、嘲っているのか、嬉しがっているのか、青年に判断することは出来ない。加えてその表情はすぐに微笑へと移り変わり、青年が見たものは幻だったのではないかと思わせる。 「・・・そう、ですね。それでは改めまして自己紹介でもさせていただきましょうか。」 青年の思いを強めるように花白は如才ない笑みを浮かべ続け、芝居がかった仕草で己の胸に手を当てた。 「名は古泉一樹、役割は『花白』。『玄冬』である貴方を殺すため、城と白梟から遣わされました。どうぞよろしく。」 「最後のは余計だっつーの。」 にこりと殺害宣言まで付け加える花白―――古泉一樹に、青年は眉間に皺を寄せる。だが古泉が今更こちらのそんな表情の変化で態度を改めるはずもなく、青年は溜息を一つ吐き出して相手に背を向けた。 「どちらへ?」 「家だよ、家。何も今すぐ、ここでグッサリ行くつもりなんてもう無いんだろ?だったら茶の一杯でも飲ませろ。ついてくればお前にも出してやるからよ。」 古泉の問いかけに上半身だけで振り返ってそう答え、青年は歩みを再開する。しばらくは背後の動きを感じることは無かったが、それでも未だ剥き出しだった古泉の剣が鞘に納まる音がした。続いてゆっくりと同じ方向に足を踏み出す音。 どうやらもう少しならば静かに暮らせそうだと、青年は近付いてくる古泉の気配にそっと笑みを浮かべた。 その背後で古泉が苦しげに呟いた言葉を耳にすること無く。 「僕は・・・僕は今まで、生まれてからずっと、『花白』であることを望まれてきました。古泉一樹と言う名の一人の人間としてではなく、殺しを許された存在『花白』として。・・・でも、あなたは違うんですね。」 |