れた

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 朝は意外と寝汚い古泉よりも少しばかり早く起床し、朝食の準備をする。その途中でこの家の主がようやく起き上がってきて俺は手早く配膳。そうして一緒に朝食を摂る。
 古泉が学校に出かけるのを見送って部屋の掃除と洗濯物に取り掛かる・・・日もあれば、のんびりとテレビを見たり漫画を読んだりして古泉が帰宅するまでの時間を潰す。
 夜は最近閉鎖空間が頻発している所為で、一度帰宅しても再び外出し深夜近くに帰って来る古泉を待って就寝。しかし三回に一回くらいの割合で俺が先に寝ちまっていることも。そしてまた朝が来る。目を覚ました時、すぐ傍に古泉の安らかな寝顔があることを確認して。
 そんな生活サイクルが回り始めて一ヶ月ほど。首輪もそこから伸びる鎖にもすっかり慣れてしまった。今ではもう、どうすれば最も邪魔にならずに鎖を引き摺っていられるかという方法まで編み出し、ほぼ無意識のうちに実践してしまっているほどだ。たまにふざけて古泉の首にその鎖を巻き付けてやることもある。そんな時の俺は、そして古泉も、年相応のガキの顔で笑っていた。
 この状況がおかしいという自覚は未だにしっかりと持っている。しかし実際問題として俺は「今」をそのまま受け入れてしまっていた。もう古泉に解放しろだなんてニュアンスの言葉は一言も喋らないし、そもそもその意思が無い。朝起きて、飯作って、古泉とじゃれて、たまに勉強なんかも教えてもらって――いやしかし、なにやら不穏な単語も耳にしたな。教師ごっこですね、とか――、そして一緒に寝る。これが俺の普通になってしまったのだ。
 かつて自分が予感したように古泉と同じ意味での「好き」を相手に抱けるようにはまだなっていないが、代わりに友人に対するものとはまた違う感情が芽生えていた。それに最も近いものがあるとするなら、家族に対する愛情だろうか。
 神人狩りで古泉が負傷して帰って来る場合もあり、そんな時は冷水をぶっかけられたようなヒヤリとした感覚を覚えるが、それ以外の日々はひどく穏やかに過ぎていく。だから俺も古泉相手にそういった温い愛情を持ってしまっているのだろう。時折思い出したかのように古泉がキスをしてくるのは――そして俺も渋々それを受け入れちまってるのは――どう考えたって家族に対する愛情とは違うんだろうけどな。
 これがかの有名なストックホルム症候群というやつか。まさか自分がそうなるなんて、初めてこの単語を知った時の俺は夢にも思わなかったに違いない。と言うか、自分がそうなるなんて考える方がおかしい。
 いやしかし、当時の俺は「なんだこれは。信じられん。」と顔を顰めていたはずなのだが、実際自分がその状況に陥ってみると案外悪くないもんだ。その思いも自分の精神を守るために脳が作りだした幻だって解っちゃいるけどな。いくら自覚してたって、感情と思考は別物ってわけだね。
 そうしてこの状況を殆ど何の抵抗も無く受け入れていた俺は、だから自分がそうあるがゆえに、このままの状況がずっと続くと思っていた。と言うより、この状況がいつか終わりを迎えるということに思考が及ばなかったと表現すべきか。
 とにかく、俺はこんな生活が二週間も過ぎた辺りからそれが終わることを意識しなくなっていた。でもそんなこと、あるはずがなかったんだ。全てのことはいずれ終わりを迎える。永遠なんて存在しない。ましてや、このように異常な状況に関してなら尚更。
 ようやく俺がそのことに気付いたのは、この事態に幕を引く人間がドアのインターホンを押した後のことだった。


 ピンポーン
 呼び鈴が室内にオーソドックスな電子音を響かせる。今は夕刻、学校が終わって少し経ったくらいだ。
 古泉はまだ帰って来ていない。閉鎖空間が発生して直接その対処に向かったのか、それとも今日は何事も無く真っ直ぐ帰って来るのか判らないが、とりあえずこの呼び鈴を鳴らした人物が古泉一樹ではないことは確実だ。大体、普通は自分の家の呼び鈴を鳴らす家主なんていない。
 古泉以外の誰かがドアの前に立っていることを知って俺は気を張り詰めた。宅配便の類ならまだいい。そのまま無視してくれと古泉本人から言われている。俺も他人に自分のこんな姿を見られるのは是非とも遠慮したいからな。
 では、それ以外の場合は?こんなマンションで頻繁に隣人が訪ねてくる事態なんて殆ど起こらないし、だとすれば『機関』関係者もしくはクラスメイトあたりしか訪ねて来ないだろう。しかも後者の場合は特に可能性が低いように思う。
 で、機関の関係者が古泉の家を訪ね、それなのに中から現在行方不明中である俺が出てきたらどうなるか。俺は保護という状態になるのだろうが、古泉は確実に悪い状況へと突き落とされる。何せ機関は俺を血眼になって探しているらしいからな。機関の構成員である古泉の家に俺が居たとなっちゃあ――しかも首輪つきで何処から如何見ても監禁状態にある――、その先で待ち構えているものが何なのか、誰にだって解るさ。
 ピンポーン、とまた呼び鈴が鳴った。俺がここにいることを悟られるわけにはいかない。息を潜め、物音を立てないように動きを止める。
 早く、早く帰ってくれ。この部屋には誰もいない。主の古泉はまだ帰宅していないんだ。
 二回目の呼び鈴のあと、息を潜めている俺の耳に訪問者の者らしき声が届いた。高めの声、女性と言うより女の子か。それもきっとその子一人だけではなく同伴者もいる。女の子が何かを喋り、それに誰かがぼそぼそと返しているようだった。
「〜〜・・・・・・、・・・・・・〜・・・〜〜〜じゃない。」
「・・・。・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・〜〜?・・・・・・〜〜〜、〜〜〜〜〜・・・・・・。」
「・・・。」
 何を話しているのだろう。
 そう思った瞬間、カチャリ、と玄関扉の開錠される音が部屋に響いた。
「ちょっと、有希。勝手に入っちゃって大丈夫なの?」
「構わない。」
 ―――ッ!
 ハルヒと長門!?ああ、そりゃあ長門なら鍵くらい簡単に開けられるわな・・・じゃないだろう俺!
 なんで。なんで長門がこんな所に来たんだ。しかも最悪なことにハルヒまで連れて。今の俺の状態をハルヒが見たらどう思うのか。突然行方不明になった団員が同じくSOS団の副団長の家に監禁されていた、なんて。しかも首輪などという目を覆いたくなるようなオプションつき。
 他人の家に勝手に入ったためか、彼女達の足取りは非常にゆっくりしたものだ。しかしここは豪邸ではなく、ただのマンションの一室。俺がいる所まで辿り着くのに時間はかからない。どくり、と心臓が大きく脈打った。
「キョ、ン・・・?」
 開きっぱなしだった入り口から顔を出したハルヒが目を瞠る。そのすぐ後ろで長門は無表情を保ち、こちらを静かに見つめていた。
「え・・・ホントにキョンなの?キョン、よね?」
「ハルヒ、」
「ッ!キョンっ!!」
 どん、と衝撃が来る。
 ハルヒはいつもの勝気さなんてどこへやら、俺に縋り付いて止め処なく涙を溢れさせた。
「ひ、人がどれだけ心配したと思ってんのよっ!なんでこんな所にいるの!?なんでっ!?」
 ああ、長門。どうしてこんな所にハルヒを連れて来たんだ。こいつが今の俺の状況を知れば一体どんなことをするのか・・・いや、こいつの力のことなんてどうでもいい。情報統合思念体の意思なんてものもどうでもいい。ハルヒが、団員が他の団員に監禁されていたなんて知ったらどれだけ傷ついてしまうのか、お前が解らないはずないだろう?
「長門・・・どうして、」
「こんなことは間違っている。だから。」
 そう言った長門の双眸は無表情の中に収まりながらも、どうしてか今にも泣きそうだと感じた。瞬きをすればその無機質な瞳から水滴が零れ落ちるのではないかと。
 そんな長門は瞬きを一度だけゆっくりとして見せ、けれど涙が零れ落ちるなんてことにはならず、こちらへと近付いてきた。俺に縋り付いてぼろぼろと泣くハルヒの髪を手櫛で梳きながら、もう片方の手を俺の首に走らせる。正確には首輪の部分を指でスッと撫でた。
「・・・あ、」
 パキン、と澄んだ音を立てて首輪が外れる。それは幾つかの破片に分かれ、俺とハルヒを避けるようにしてカーペットの上に落ちた。首輪が壊れたために、そこから伸びていた鎖もジャラジャラと音を立てて落下する。
 その音でハルヒが顔を上げた。涙で濡れた双眸は俺を心配そうに覗き込んでくる。
「ねえキョン、大丈夫?どっか痛いところは?辛くない?」
 こちらの頬に手が伸ばされ、包み込むように触れる。気遣うような瞳がハルヒの感情を如実に表していた。大丈夫だよ、ハルヒ。痛いところも辛いところも無い。何も無いからそんな顔してくれるな。
「本当?本当に本当?」
「ああ、本当だ。」
 幼い子供のように繰り返すハルヒに言い聞かせるつもりで告げる。ついでに、長門と入れ替わるようにハルヒの頭を撫でながら。普段なら烈火の如く怒りそうなこの行為も一ヶ月間俺が行方不明だったことが災いして嬉しそうに受け入れる始末。それほどまでに俺はハルヒを不安にさせていたのだろう。罪悪感が湧いてきて、チクリと胸を刺した。
「ごめんなハルヒ。こんなに心配させて。」
「キョンが謝ることなんてないわよ!首輪と鎖で繋ぐなんて・・・悪いのは、」

「見つかってしまいましたか。」

 朗らかな声はハルヒ達が入って来た部屋の出入口から。
 台詞を遮られた形になるハルヒはその声を聞くと物凄い勢いで振り返り、新たな登場人物の名前を口にした。
「古泉、くん・・・」
「はい。先程ぶりですね、涼宮さん。それと長門さんも。まさかあなたがそこまで自発的な行動に出るとは思ってもみませんでした。」
「わたしも、彼が大切。」
 柔和な古泉の微笑と無機質の中に怒りを含んだ長門の冷たい双眸がぶつかる。しかし古泉はふっと息を吐き出すように笑い、
「大切、と言うよりも、あなたはただ僕が彼を独り占めしているという状況が気に食わなかったのではありませんか?彼の心と身体を僕が持っている、ということをね。」
 古泉が俺の心を持っている、と言うのはつまり、俺が監禁状態を許容しているということだろう。それが古泉にとっては何よりも重要なことらしいからな。
 勝ち誇ったような古泉の笑みに、長門が他人から見ても判るほど怒りを露わにする。眉間に皺が寄るようなことはないが、口はしっかりと引き結ばれ、脇に垂らされた拳は強く握り込まれていた。僅かな沈黙の後、長門が反論しようと口を開く。しかしそれよりも先に俺のすぐ傍から声がした。
「誰が誰のものですって?いつからキョンは古泉くんのものになったの。」
 それはぞっとするほど冷たい声だった。
 声の主であるハルヒは片手で俺の服を掴んだままキッと音がするほど強く古泉を睨み付ける。
「こんなことして許されると思ってんの。何が心よ。鎖で無理やり繋ぎ止めてるだけじゃない。」
 しかし古泉も負けていないらしい。俺に淡い笑みを向けると、次いでハルヒに対し嘲笑めいた微笑を浮かべる。
「無理やり、とは。彼はこの状況を許容してくれていますよ。僕のために料理だって作ってくれますし、特にここ最近はキスも受け入れてくださっていますしね。それでもまだ、あなたは彼の心が僕に無いとおっしゃいますか?欠片も?」
 服を掴む手に力が篭る。それがそのままハルヒの怒り具合を示しているようで、嫌な予感が背筋を駆け上がった。
 おい、古泉。もうやめろ。それ以上ハルヒを煽るな。ハルヒも、俺はこうして何も無かったんだから。な?
「許さない。」
「っ、ハルヒ!」
「許さない許さない許さない。キョンは誰にも渡さない。」
「ハルヒ、落ち着け!」
 嫌な予感が、悪寒が、全身を駆け巡った。ハルヒの肩を掴んで正気に戻そうとするも、彼女は微笑を浮かべ続ける古泉から視線を外そうとせず、許さないという呟きを繰り返す。
「"許さない"?あなたに何の権利があると言うのですか。まさか彼があなたのものだとおっしゃるつもりでも?・・・冗談はよしてください。今この場で、彼は僕のものだ。彼もそれを許してくれた!」
 大仰な身振りで古泉は『古泉一樹』らしからぬ笑みを浮かべる。歓喜と狂気を込めて。
 それを見てハルヒが怒りに頬を染めた。
「うるさい!!古泉くんなんか、古泉くんなんか、」
「ハルヒ待てっ!!」
「最初からいなきゃよかったのよっ!!」


 ハルヒが叫んだ瞬間、俺の脳裏にあるはずのない記憶が甦った。


 そこは部室で、夕陽が差し込んでいて。部屋にいるのは俺と古泉の二人だけ。俺達の距離はとても近く、互いの息遣いが感じられるほどだった。
「キス、してもいいですか。」
「なんでそう、お前はいちいち俺に訊いてくるんだ。前にも言っただろ・・・お前が、その・・・し、」
「僕がしたいときにすればいい、ですよね。」
 嬉しそうな囁きの後、唇に柔らかい感触。
 最初は軽く触れ合うだけだったそれもすぐに吐息を奪うほど深いものになっていく。俺の手は自然と古泉のブレザーを掴み、古泉はそんな俺を支えるように腰へと腕を回す。
 しばらくは互いの吐息と、時折混じる微かな水音だけが部室に満ちていた。しかしそれは呆気なく壊されることになる。
「あんたたち・・・何、してんの。」
 振り返った先には開いた部室の扉。そして、唖然とするハルヒの姿。
 驚きの表情はやがて事態を把握し、徐々に怒りへと染まっていく。
 ・・・ああ、そうか。これが"一回目"なのか。俺と古泉が、ハルヒを裏切った一回目。この時の俺は古泉を最初から受け入れていて、それどころかきっと古泉と同じ想いを返せていたんだ。そんな俺達の関係にハルヒは酷く傷ついて、だから願ってしまった。元通りになることを。
 ハルヒの喉から放たれた拒絶の叫びが世界を変えていく。俺達が出会ったばかりの世界へと。ハルヒが再び傷ついてしまう世界へと。



* * *



 高校を卒業して、俺達は大学生になった。上級生である朝比奈さんは一年先に県内の大学に通い始め、しかし勿論(と言うべきなんだろうな)SOS団の一員として活動してくださっていた。SOS団"四人"の中の癒しメイドとして。
 大学生になって変わったことは色々ある。俺達が別々の大学・学部に行ったこともそうだし、毎週行われていた市内探索が二週間か三週間に一回になってしまったこと等々。そして一番大きいのが俺とハルヒの関係だろう。
 高校生だった時から周囲には結構そんな風に囃し立てる者がいなかったわけではない。結局三年間同じクラスだった谷口なんかはずっと「涼宮と付き合ってんだろ?」という台詞を繰り返していた。
 そう。高校時代、ハルヒと俺は団長と団員で、クラスメイトで、他の人間よりは仲が良いという関係だった。友人、だ。しかし卒業式の日、俺はハルヒに想いを告げた。
 今では、俺とハルヒは正式に彼氏彼女の関係だ。大学は高校生活ラスト一年のハルヒ先生による勉強会のおかげで、俺とハルヒは同じ所。学部は違うが、キャンパスも同じ場所にあった。だから会おうと思えば講義の合間を縫っていつでも相手の顔を見ることが出来る。
 大学はハルヒが行きたいと望んだところだった。彼女が俺の頭のレベルに合わせて選んだ所ではないらしい。俺もハルヒが俺の存在に縛られることなく好きな所に行くことを望んでいたから、その結果は素直に嬉しい。
 いつからだろう。俺はハルヒを好きだと思うよりも前の段階で、彼女を束縛したくないと考えるようになっていた。全てはハルヒが思うままに。まあ、ハルヒ限定ではなく、「他人」としてカテゴライズされる人々全般に関して束縛を嫌っていた節もあるのだが。とにかく、俺は他人を制限するという行為を嫌うようになっていた。普通恋人が相手に抱くような独占欲というものすら俺には無縁でしかなく、第三者の目に俺は彼女に対し激甘な彼氏として映るらしい。
 あとは、そうだな。ハルヒのことが好き、愛しているという感情は確かにこの胸の中にあるはずなのだが、同時にハルヒ以外の人間と深い仲になることを俺は無意識のうちに避けるようになっていた。それは想いを告げるよりずっと前からのことで、まるでハルヒ以外と付き合うことが禁忌であるかのように俺は他人をハルヒ以上に大切にすることをしなかった。
 俺はハルヒ以外を好きになっちゃいけない。少なくとも、ハルヒが俺を好いてくれている間は。
 それは、強迫観念にも似た、原因不明の感情。
 何故だと自問自答するたびに強烈な痛みが胸を襲った。情けなくも泣きたくなるほどの切なさと痛み。辛くて辛くてしょうがなかった。
 そんな俺に気付かぬまま、ハルヒは俺の隣で笑いながら大学生活を送っている。
 実は付き合い始めたばかりの頃、ハルヒ本人は全く彼女を束縛しようとしない俺の様子に不満――不安、か?――を抱いたらしく、大学で出来た女友達に愚痴っていたらしい。しかしその友人達からの返答はどれもこれも同じもの。曰く、「素敵な彼氏だね」「愛されてる証だ」「羨ましい」。
 そんな返答を聞いているうちにハルヒも考えを改めたようで、最終的には「そうね。贅沢な悩みだわ。」と言って笑うようになった。
 と言うわけで、俺達の関係は良好だ。頻度の減ったSOS団市内探索の代わりに休日は俺とハルヒの二人だけで出掛けるようになったし、主張の激しい彼女と何でも受け入れる彼氏という組み合わせは喧嘩すら殆ど無く日々を謳歌している。
 この素晴らしき世界で。








キョンが他人を束縛したがらないのは、古泉の監禁事件によって古泉が消えてしまった(=悲しいことが起きてしまった)から。
無意識のうちに、監禁(他人を物理的・精神的に束縛する)=不幸に繋がると感じているのです。
ハルヒ以外と付き合おうとしないのは、ハルヒ以外(古泉)を選んだ結果が「選んだ人間(古泉)」の消失だったから。
つまりキョンは誰も縛らない人間になりましたが、キョン自身は古泉の存在に縛られたままなのです。それも、無自覚で。

壊れた世界は古泉が欠けた世界。
響く歌はキョンとハルヒが日々を謳歌していること、そして古泉の喪失に対する無自覚なキョンの声無き泣き声。

(2007.10.27)