浦原さんの口から俺を強くしてくれると伝えられたのと同日。 俺は一度家に帰り、それからいつも通り学校に向かった。 とは言っても今日は終業式だったから昼までなんだけどな。 そんで、学校に着くとやはりルキアの席には見知らぬ男子(名前は忘れた)が居て、学校が終わったら終わったでケイゴが皆を海に誘ったりそして断られたり。 もちろん下校時には井上に呼び止められて「朽木さん、どこ行ったの?」とも訊かれた。 へんに未来が狂うのも困るので彼女には『前回』と同じようなことだけを話し、そのまま別れた。・・・のだが、罪悪感は拭えないな。 帰宅したら次にさっさと泊まりの準備をして浦原商店へ。 外泊の理由は『前回』と同じで友達の家に泊まるということにしている。 浦原さんにはからかわれるが、高校一年生の外泊理由としては一番妥当だろう。 でなきゃ一体何を言えば良いんだ。 まさか「死神として強くしてもらうためです」なんて言えるはずもないのに。 もし適当な言い訳があるなら是非ともお聞きしたいもんだな。 「おっ。いらっしゃい。」 浦原商店に着くと外に店長と定員が揃って待っていた。 それにしても何度見たって異様だな。ここの店員達は。 一人で既に怪しさ爆発の店長、やくざの用心棒辺りが似合いそうな店員その一、どうやらこちらも店員らしいガキ二人、なんて言う組み合わせなんだから。 まあ、やってることとのつり合いを考えたらこんなもんなのかも知れねえな。カッコ笑いカッコ閉じる。 「具合は如何です?」 「問題なし。」 「それは結構。」 扇子を閉じ、浦原さんが口元だけで笑う。 「ところで、」 あ、来た。 例の質問だ。 「親御サンには断ってきましたか?」 「あァ。友達ン家に泊まるって言ってきた。」 「なんか・・・処女の外泊の言い訳みたいっスね・・・」 「そう思うんならもっとマシな言い訳の一つか二つ教えてくれ。」 素っ気無く返すと相手からは少し面白く無さそうな気配が漂ってきた。 どうやら俺“で”遊べなくて不満だったらしい。 なんとも失礼な。 まあ良い。 実際遊ばれなかっただけ良しとしよう。 今日から十日間、よろしく頼むぜ浦原さん。 |