変態二人を浦原・夜一ペアに任せ、コンは一護を背後に庇っていた。



「サンキュ」



もう大丈夫だからと言えば、コンは渋々ながら距離を取る。



「それより、ルキアと話さなくて良いのか?」


「…お前も一緒に来い!」



手首を掴んで離さないコンに連れられ、もう一度死神の集団に近付けば

何故か彼らも、藍染とギンから庇うように立ち位置を取る。



「姐さん、お久しぶりっす」


「おぉ!コンか!!……何故義骸に?」


「あんまり気にしないで下さい。それより、これ姐さんに作ったんっす」



どこに持っていたのか、紙袋から出したのは

黒を基調としたシンプルなワンピース。

そう言えば、ルキアはワンピースを好んで着ていたと思い出す…が……



「お前が作った!?」


「そうだ。見直したか?」



ニコニコと笑うコンの顔を、まじまじと見てしまった俺を責める者はいないだろう。

事実、石田や井上も驚いた表情で見ていた。



「お前が着てる服も、俺と真咲母さんで作ったんだ」



市販品だと言われても違和感の無い作りのタキシード。

着心地も良いそれをコンが作ったと言う。



「見直した。凄いな」



正直な感想を言えば、コンは照れたように頭を掻く。

俺と同じ顔、同じ姿なのに 表情が変わるだけで別人だな…

身長は同じだが、何故か年の離れた弟が出来た気分で俺はくしゃくしゃと頭を撫でた。



「お兄ちゃん、聞いて!」


「あたしたちの服も作ってくれたんだって!」



見慣れぬ新しい服だと思っていたが、これもコンが作ったのかと改めて見る。

二人の性格に合った服で、自分の事のように嬉しくなり

その気分のままコンを抱き締めた。



「サンキュ!」


「ありがとうございます!」


「ありがとう!」



黒崎家の三人の子供に抱きつかれて、コンは戸惑いながらも嬉しそうに笑っていた。









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