現世に着けばそこには旅禍だった少年達が揃っていた。

そして、何故か永久追放された男と、元・軍事総司令の瞬神。



「どうしたんだ、何かあったのか!? ……恋次?」



白いタキシード姿の一護に詰め寄られて、恋次は一歩下がる。

死覇装ではそれ程感じなかった線の細さが タキシードで強調されている。

尸魂界では見慣れぬ白一色の装いにも戸惑いを隠せない。

他のメンバーも色香の漂うその装いに視線が釘付けのようだが、ルキアだけは違ったらしい。



「どうしたのだ一護?それは婚礼衣装と言うやつだろう?

なんだ、私たちはお前の婚礼に呼ばれたのか!?」



おいおい違うだろう!

総隊長殿の命令は、黒崎一護の護衛だろうが!!

お前はもうその事を忘れたのか!!!



突っ込みたい気持ちはあったが、婚礼衣装と聞いて 思わず息を飲み、黒崎一護の答えを待つ。



「何言ってんだ…大体、16じゃ結婚できねぇって」



それも違うだろう!

内心突っ込みを入れていたのは石田雨竜だけなのかもしれない…

死神たちは何故か安堵したような雰囲気を漂わせ

うっとりと黒崎に見惚れていた。



「ほんま、よう似合におうてるでイチゴちゃん」


「これでウエディングドレスと言うやつだったら即刻浚っていくのにねぇ」



出やがった〜〜!



それは誰の叫びだったのか、まだ記憶に新しい尸魂界での騒ぎの元凶が

一護の腰を撫でるように抱き込み、また値踏みするように顎に手をかけていた。



スパァン!



「気安いぞ」


「汚い手で触れるのは止めてくださいね」



軽く聞こえた手を叩き落とす音。

だが夜一によってなされたそれは、二人の身体を弾き飛ばすし

尚且つ倒れた二人の頚動脈に斬魄刀の切先きっさきを向け

浦原は剣呑な気配を漂わせているし



怖っ!


何人かの心の声が重なった。









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