研究所にて、何故か着せ替え大会が始まり…



「…母さん?」


「あら、よく似合うわ。流石・私と一心さんの息子ね♪」



真っ白なタキシードを着せられて、一護は困惑していた。

ちなみに一心も普段の派手さはなりを潜め、黒の礼服を

真咲は松葉色の色留袖を、遊子と夏梨は見慣れぬ新しい服を着ている。

そこまでは良いのだが…



「何でアンタまでいるんだ、ゲタ帽子?」


「はい?」



鬼谷とは知り合いだと言う浦原が、今回は彼の代わりだと現れ

いつもの作務衣ではなく、深緑のスーツを纏った姿で言う。

そして…



「一護に近付くんじゃねぇよ、変態店長!!」



何故か俺そっくりの義骸に入ったコンまでいた。(衣装は紺色のブレザー)



「失礼な子ですね…」



浦原が小言を言う前に、遊子と夏梨が俺の背中に抱き付き興奮したように叫ぶ。



「凄い!お兄ちゃんにそっくりだね!!」


「本当だ!」



コンは驚いて身を引いているし

興奮する二人にどう説明するつもりだと浦原に視線を向ける。



「彼はこの研究所で産まれた存在です。

人間そっくりですが、まだ学習しきれていないので、オカシナ所もあるかと思いますが

仲良くしてくださいね」


「誰がオカシイ存在だ!こらぁ!!」



造られた存在であると言われて傷付くかと心配する一護を余所に

コンは元気いっぱい反論し、掴みかからんばかりの勢いで抗議していた。



「あれが一兄の夏休みのバイトの理由?」


「まぁ…な」



尸魂界に行く間の言い訳を、真咲と鬼谷がフォローし

研究所でバイトと言う事になっていたらしい。



コンはそのバイト途中で完成し、一護をベースに作られ・教育を担当した事になっている。

真咲は母親的観点から意見を貰い、協力したと言う事でコンも母のように慕っている設定だとか…



確かに、この研究所では怪しい事もやっていそうだが…人工生命体って無理が無いか?

義骸は有機アンドロイドと言う事らしいが……



「ほぅら、これが人間と違う証拠ですよ〜」


「こんな所で解体されてたまるか!」



ドライバーを持ってコンを追い掛け回す浦原…何だか楽しそうだし無視したい……



「一護・助けろ!」



同じガタイの男に抱き付かれ、普通なら気持ち悪いと拒否するだろう。

だが、中身がコンだと判っている&ヌイグルミに抱き付かれ慣れている俺は

宥めるようにコンの背を叩き、浦原に溜息混じりに言う。



「そこまでにしてくれよ…」


「……黒崎サンがそう言うなら」



不本意だと顔に書いてあるが、浦原は大人しく引き下がってくれた。

それより、このメンバーで一体何が始まるってんだ?









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