初めての出会いは

神との対峙に等しかった














邂逅













「あれが見えるな、一護。」



見上げた先に小さく見える人々の列。

その列の中心にいる異色の存在に目を奪われた。



「浦原喜助様。十二番隊隊長にして技術開発局の創設者。加えて局の初代局長でもあるお方だ。」



幼い俺の頭の上に手を置いて話す父の言葉はそのまま右から左へと流れていった。

ただただ、白い羽織をひるがえしながら歩む彼の存在に目を・・・いや、心を奪われて。



「お前も護廷十三隊に入るならば、あの方の下に就くこともあるかも知れんなぁ・・・」



―――あの方の下に就ける?



ブワリ・・・と言いようも出来ぬ思いが体中を駆け巡り、それにあわせて周囲の霊圧が増す。





「・・・っ!一護!霊圧を抑えろ!!上がってきてるぞっ!」



「あっ・・・」





ビクリ。



父の声にはっとして、高ぶっていた感情と霊圧が瞬時に収まった。





「ごめんなさい。」



「いいや、父さんの方こそすまんな。いきなり怒鳴っちまって。・・・一護、もう少しここにいるか?」



そう言って一護から視線を外し、再び見上げる父。



「うん。」



そして己も再び彼の方のほうへ視線を向ける。





「!?」



それは一瞬のこと。

彼の方と目が、合ったような気がした。

心臓がドクドクとうるさい。















列は乱れることなく進んで行く。




視線すら動かせぬ一護をそのままにして。

















++++++++++++++++++++++++++++++


















退屈の中、見つけた光に

目を焼かれると思った。













―――退屈だ。





己の前後に列を作って歩む者たちを見てはつくづくそう思う。

この行列に一体何の意味があるのやら。



何かあるたびに成されるこの行列。

知り合いの貴族の屋敷に赴くとき。

瀞霊廷の外周近くまで出かけるとき。

果ては特別会議に出席するときにまで。





・・・まさか見世物でもあるまいに。





己が歩む道の遥か下では何人もの人々が此方を見上げている。





―――おもいっきり見世物になってるじゃないっスか。



不機嫌な表情を隠しもせずに歩を進める己に、周りのものは少々脅えているようだが、

まあ、そんなのは言ったことではない。











ブワリ・・・ッ





突然、とてつもない大きさの霊圧で辺りが満たされた。



「ッ!?」



周りの者達の表情が驚きと恐怖が入り混じりつつも警戒するものへと劇的に変化する。



元をたどれば、遥か下から飲み込まれそうなほど強く美しい霊圧。







興味を引かれた。

決して穢される事など無いという様な、純度の高い、白く輝く霊圧の持ち主に。



目線をそちらに向ける。

その霊圧の持ち主も此方を見ていた。



目が、合う。

しかし己はすぐに視線をそらした。





その人物が―――あの幼子が持つ太陽色の髪を見て、目が焼かれると思ったから。















列は乱れることなく進んでいく。




彼の人物の心情を置き去りにして。






















 >>