あとがき。
ここまでお読み頂きありがとうございました。 いかがでしたでしょうか。少しでもお気に召すところがあれば幸いです。 「ミミズクと夜の王」が好きすぎて文庫丸々一冊分をほぼトレス。ですがやっぱり元のお話の方が何十倍も何百倍も素晴らしいので、興味のある方は是非是非お手に取ってみてくださいませv では以下、各キャラごとのどうでもいい解説でも。パロ元のネタバレを含みます。 ・帝人(ミミズク) 本作主人公。 パロ元のミミズクちゃんはれっきとした女の子ですが、今回はにょ帝人ではなくちゃんとした男の子です。 夜の王がミミズクのことを「獣を称する娘」と呼ぶシーンがあるのですが、流石に静雄バージョンで「獣を称する息子」と言わせてしまうと些か格好がつかなかったので、帝人君に関しては本来「娘」と表現されるシーンを「子供」と当たり障りの無いものに変えてみたり。……何かもっといい表現はありませんかね。 生い立ちについて。 ミミズクは盗賊の村で奴隷として使役されていた少女です。死体を解体する作業に従事していて、その際にナイフを使っておりました。村が別の盗賊に襲撃され、その一件でミミズクはいつも仕事に使っていたナイフで初めて生きた人間(襲撃者)を刺してしまいます。これがナイフ嫌いの原因。対して帝人ですが、あの体力の無さで死体を捌くのはちょっと……と思ってしまったため、「盗賊の村の帝人君」は却下(いや、ミミズクは幼い女の子なので余計に体力が無いのですが、それはそれ)。代わりにR18的な方向で大きな屋敷に囚われていた帝人という設定に。屋敷の設定やそこの主人については後述します。 帝人にとっての夜の王。 静雄さんへの好意は半ば刷り込みに近いかもしれません。元々居た屋敷で人としてかなり壊れていましたから、そこを逃げ出して出会った綺麗な存在に思考を丸ごと持っていかれた感じ。その上で分かりにくい優しさを貰ったり、そうでなくても自分に無理強いをしてこない静雄は帝人にとって絶対的なものになっていった、ような。 ですが最終的には静雄さんの優しさとか生い立ちとか諸々のものを知った上で、壊れていない人としてちゃんと大好きになってます。幸せになれよー。 青い目。 こちらの話では、帝人君は元々真っ黒な目をしています。 この話を除き、基本的に「覚醒帝人⇒青い目or青っぽい黒目」「ノーマル帝人⇒黒い目」と書き分けているのですが(一応そのつもり)、今回は夜の王の魔術の影響を表現してみたかったので、純真無垢(?)なノーマルちゃんでも青い目です。 元ネタでは、ミミズクが奴隷の証として額に三桁の番号が焼印か刺青(?)で刻まれています。そして夜の王の魔術によってその番号は後々不思議な模様へと変化します。ミミズクはこれを大層気に入って、記憶を取り戻す際にはそれがある種のトリガーになったりします。という訳で、帝人の記憶復活のトリガーは静雄によって与えられた青い目で。 帝人君は文字が読める。 というのは、セルティが<聖剣の巫女>役になった上でかなり大切な事でした。なにせ字が読めなければセルティさんと会話ができませんから! そこで役立つ、「盗賊の村出身」ではなく「大きなお屋敷に囚われの身でした」設定。ずっと屋敷に軟禁(監禁?)されていたのでお金の使い方は知りません(知らなくても良かったのです)が、きっと屋敷の主人が道楽でちょっとだけ本を見せたりしていたので文字ならある程度読めるようになりました。 ・静雄(夜の王 フクロウ) 「魔王」と表現するとどうしても先に帝人様のイメージが来てしまうのですが、ここでは魔王=シズちゃんです(笑) 人間嫌いの気があって、優しいのにそれを表に出せなくて(出さなくて)、美形で、王様で、イメージカラーが月(金色)のキャラクター。こりゃもう静雄さんしかなかろうと天啓のように閃きました。だってシズちゃんは池袋の王様。 ちなみにデレはパロ元の三割増し。いやホント、フクロウのデレは少なくて解り辛いんですって。 絵を描くのが上手です。静雄さんが絵を描くというのはちょっと違和感があったのですが、話の展開上「夜の王が絵を描く」というのは重要なポイントだったので、静雄さんにも絵を描いて頂きました。 夜の森に帰ってきて、帝人と一緒に暮らして、何十年後かに帝人が死んだら静雄さんはどうするのか……。そのまま自分の寿命が来るまで生き続けるのか、それとも次の魔王を見つけて力を譲渡し、自分も死ぬのか。どちらもありえそうですね。どちらになるかはきっと帝人君の手腕(ちょ)に掛かっている。 ・赤林(魔物 クロちゃん) パロ元だと腕が四本もあるんだぜ!(流石に赤林さんを四本腕にするのは憚られた) クロちゃん、すごくいい魔物(と書いて「ひと」と読む)です。配役はミミズク=帝人、フクロウ=静雄の決定とほぼ同時期に決まりましたねー。 何だかんだ言いつつ帝人の事が気に入ってるご様子。世話焼きまくり。 ちなみに年齢は魔王である静雄さんよりずっと上です。なにせ人間だった静雄さんを魔王にスカウトした方ですから。 クロちゃんはミニ化ができますが、赤林さんのチビキャラ像が思い浮かばなかったので、今回はそういう記述がありません。いつでも180センチ越えの成人男性(羽つき)です(笑) ミニ化したクロちゃんはミミズクの頭の上に乗ったりしましたけど、ならば赤林さんは帝人君を抱っこしたり肩車したりすればいいんじゃないかな、と書き終わってふと思いました。まる。あれ、作文? ・蒼炎花(煉花(レンカ)) 静雄さんが描く絵の重要な色料。 パロ元では煉花という赤い花で、赤い絵の具の代わりになります。フクロウが人間だった頃、絵の具の代わりに自分の血で絵を描いていたので、魔王になってからは煉花を使用していました。 ですが帝人君の目を黒から青に変化させるのは既に決定事項だったので、帝人君が採ってくる花の色も赤じゃなくて青に変更。しかも赤は別の人物(臨也さんなんですけどね)との事を思い出させる鍵でもあったので、ちょっと使いにくかったのです。帝人君の瞳の色(変化後)=蒼炎花の色という設定はオリジナル。 ・正臣(王子 クローディアス) ネガティブ系ピュア王子。 王子役は幽と正臣のどちらにするか直前まで迷っておりました。ですが、クローディアスとミミズクが友人になったならば、ここはやっぱり正臣が適任だろう、と。 クローディアスは両手両足が不随で、代わりに目はちゃんと見えています。そして夜の王の魔術によって四肢が動くようになる際、そこにはミミズクの額に記されたものと同種の紋様が浮かび上がります。ですが今回は帝人に刺青のような紋様が無く、現れた変化は瞳の色だったため、王子の変化もそれ関係に。という訳で、王子は目が見えない事にし、代わりに腕は動くようになりました。おかげで一体それどこのナナリー(@ギアス)な状況です(笑) パロ元ではミミズクが女の子、クローディアスが男の子なので、王子様はミミズクを友達だと言いながらも惚れている(はず)。確か続編の「毒吐き姫と星の石」でそんな記述があったような……? 惚れた女のために自分の両手足が治らなくてもいいと言える彼は最高の男前です。 続編の方ではついにヒーロー役に躍り出る彼。ヒロインである毒吐き姫は、もし王子が幽だった場合、ルリちゃんにしようと勝手に決めておりました。いや、きっと書かないんでしょうけど(笑) でもとりあえず、王子役は正臣になったから毒吐き姫は沙樹ちゃん……? そんなイメージじゃないなぁ(笑) むしろ口の悪い帝人君(帝人様)が毒吐き姫か! ・新羅(聖騎士 アン・デューク) パロ元から一番別人になったのがこの人。あまりにも聖騎士らしくない聖騎士になりました。 「聖」って付いてるのに全く正反対です。奥さん(セルティ)以外どうでもいい。 でも白い騎士服を着た新羅さんは正直格好いいと思う。え? 中の人ネタなら黒い服だろうって? いやまあそうですけどね。むしろあの少年皇帝の騎士が白(@ギアス再来)でしたし(笑) ミミズクパロを一番最初に思いついた時、聖騎士は正臣で巫女が杏里だったのですが、帝人が子供なのに残りの来良組二人が大人なのは違和感があったので、闇夫婦が登場しました。プラス帝人君で闇親子ですvv ちなみに聖騎士が正臣、巫女が杏里だった場合、聖剣は罪歌でした。……今思うとなんて禍々しい聖剣なんだろう。 ・セルティ(聖剣の巫女 オリエッタ) 歪みまくった聖騎士(旦那)の行動を補正する大事な役目の巫女様。 喋れないしこの世界観じゃPDAは無いしで、どうやって意思疎通をさせようかと思いました。で、剣と魔法の世界なんだからそれっぽい会話方法にしよう! と、不思議な羊皮紙が登場。でもきっと文字を浮かび上がらせているのは魔術じゃなくて、セルティの影(笑) オリエッタがアン・デュークの妻になる事を決めたのと、セルティが新羅の妻になる事を決めた理由は異なっているのですが、その最大の理由はやはり旦那(予定)の対応の違いでしょう。アン・デュークはオリエッタのしたいようにすればいいと決定権を丸投げにしてくれましたが、新羅はセルティを手放す気なんて毛頭無かったのですから。 セルティ(オリエッタ)が新羅(アン・デューク)の妻になる事を選んだ理由と、帝人(ミミズク)が静雄(フクロウ)の隣にいたいと望む(望んでもいいのかな、と思う)のは連動しているので、パロ元と今回では後者の方にも違いが出てしまいました。……上手く辻褄合わせできていればいいのですが。 ・波江(魔術師団長 リーベル) リーベルはおっさんかおじいさん(だと思う)なのですが、かなり早い段階で魔術師団長は波江さんに決定しておりました。才媛! 才媛! この人なら絶対高位の魔術師だよ的なイメージがあったんですかね。あと帝人(ミミズク)に対して大きな興味も無く、自分がやるべき事を淡々とこなしてくれそうです。 ・ライラ(レッドアーク) 国名です。 レッドアークのままでも良かったのですが、正臣が王子だし帝人が迎え入れられる国だし、だったら来良(ライラ)にしてしまおう! と。 ただそれだけ(笑) ・ライジン、エーリ、サンシャ(サイ・ガーン、セチリア、ガーダルシア) こちらも国名。 メイン舞台がライラだったので、他の国名もそれっぽいものに変更しております。 順に来神、エリ女(※女子校)、サンシャインシティとなっていたり。 物語には特に関係ありません。 ・国王(国王 ダンテス) パロ元ではちゃんとしたお名前があるのですが、デュラキャラで適当な人物が見つからなかったため、ずっと名無しのターン! 最初は竜ヶ峰竜也さんにしようかと思っていたのですが、その子供が正臣(または幽)ってどうよ? 混乱するじゃないか! と思ったので却下。じゃあ折原四郎さん? ……ないない。もし国王が四郎さんなら王子はチビ臨也さん(またはチビ日々也さん)になっちゃって、それはあまりにもネガティブ系ピュア王子らしくない。 あとはトムさんとかも考えたのですが、トムさんは組織の長と言うよりオブザーバーやアドバイザー寄りですし。粟楠道元さん……は、組織の長にはピッタリですが国が一気に極道寄りになりそうで(苦笑) 森厳さん? ……ガスマスクは駄目でしょう。まぁ『仮面』って事にしても、あの人がダンテス国王みたいに息子をぎゅっとしてくれるとも思えず。 そんな訳で名無しです。 ・シーラ(狩人 シーラ) シーラさんは元ネタのまま。こちらも適当な配役が決まらなかったので。 ・屋敷とそこの主人(盗賊の村とそこを襲撃した別の盗賊) パロ元での「盗賊の村」は帝人君(ミミズク)の説明でもありますように、「屋敷」に変更しております。 屋敷の主人に関しては一切名前を出しておりませんでしたが……大抵の方はお気付きかもしれませんね。ええ、そうです。折原さんちの臨也さんです(笑) 帝人君を手枷足枷で監禁するならこの人だろう! と思って配役決定。そして臨也さんがそう簡単に何処かの誰かの襲撃を受けるとも思えず、ならばと帝人君がナイフで刺す相手も臨也さんになってもらいました。 では反抗する事なく自分の状況を受け入れてきた帝人君が今更どうして臨也さんを? となる訳で、パロ元には無い理由を捏造。自分と同い年くらいの少年(※正臣とちょっと似てる)に興味を持つ→臨也さんが嫉妬して強制退場→帝人君がぷっつん。こんな感じで。 臨也さんは死んでませんよ。ピンピンしてます。そして帝人君を捜索中。いつかは夜の森在住の帝人君に気付くでしょうが、魔王シズちゃん及びその配下の魔物が強敵過ぎてなかなか近寄れない。奥歯ギリギリ。でも臨也さんならどうにかしてちょっかい掛けてきそうだなぁ……。 |