トウソウトツイセキ 4
「・・・・・・・・・・・・」
改造魂魄として話す彼に、一護は言うべき言葉が見つからない。 その時、一護は自分達の方に誰かが近寄ってきたのを感じた。 今まで会ったことの無い人物の気配だ。 (誰だ・・・?) 「おーや、おや。」 そして場の雰囲気をぶち壊すような軽い声が響き渡る。 一護たちが振り返ると、そこには帽子に作務衣そして下駄を履いた男が立っていた。 (一体・・・・・・) 僅かに気配が感じ取れるだけの男に一護は不審を覚える。 「やーっと見つけたと思ったらボロボロじゃないスか。ま、手間が省けていいっスけどね。」 そう言って男は改造魂魄が入っている一護の体に持っていた杖を突き立てる。 トンと軽い音がして、力を失う一護の体。 そして男の手に収まる義魂丸。 「ちょ・・・ッ、ちょっと待てよ!そいつをどうする気だ!?」 そのまま義魂丸を持ち帰ろうとする男に一護が声をかける。 気配の絶ち方といい、義魂丸を抜き取れる不思議な道具といい、 この男、只者ではないのだろう・・・。 死神姿であるはずの一護の方に振り返り、 しっかりと此方に顔を向けて口を開いた。 「どうって・・・破棄するんですが? コレはウチが原因ですからね。きちんと最後まで面倒は見ますよ?」 ウチ・・・という言葉を聞いて一護はこの人物が誰か思い当たった。 (コイツが、浦原喜助か。) それなら自分と普通に話しているのにも納得がいく。 視線をはずし、そしてもう一度その姿を視界に納める。 しかし一護と話している間に手の上の義魂丸をルキアにとられて叫んでいる浦原をみて。 (・・・・・・コイツがあの浦原喜助?元隊長の・・・?) 『そうは見えねぇかも知れないけど、確かにアノ浦原だな・・・』 自分の相棒の声を聞き、そうなのか・と思う一護。 その間にも、どうやらルキアと浦原の間で話がついたらしい。 「・・・知りませんよ?面倒なことになったら、あたしら姿くらましますからね。」 そう言って、なにやら物々しい装備だった浦原商店の店員達は 一護達に背を向けて去っていった。 『戦ってみたい?』 頭のなかで問うてくる声に返す。 (別に。興味ねぇ・・・) 一護とルキアそして名も無きもう一人が加わって、彼らは家路に着いた。 |