護衛に来た筈の死神ご一行様も 参加させられる事となった。

ほぼ強制?(いや、喜んで参加してるのもいるけど…)



「逃げる場所は研究所の敷地内です。

追いかける側に注意っスよ〜! 瞬歩と攻撃は禁止で〜す。

衣装はこれに着替えてくださいね〜」



浦原の説明&慣れない洋装に着替えさせられ死神ご一行様は微妙な表情。

ルキアは手作りのワンピースで密かにご満悦。

藍染とギンもチャッカリ混ざっている所に苦笑。

高校生組みは普通に着こなしているようだが…



「井上さん?」

「どれがイイと思う?」



一人悩んでいる人物がいた。

メイド服?と聞きたくなるヒラヒラ・フリフリの胸を強調したミニタイプのドレスや

夜一さんのような身体のラインを強調するようなドレスを見せられて

聞かれた数人は困惑していた。

ルキアの猫かぶりも復活して「井上さんにはこちらが似合うんじゃないかしら?」と楽しそうだが……



「目の毒なのでミニスカートとメイド服もどきは勘弁して下さい」



一護が土下座せんばかりに、お願いしていた。

まぁ…逃げる時に気になるだろうし、一護には毒かもしれないよな。

意外に純情な一護を知っている者たちは見えないように苦笑していた。



「お姉さんに凄く似合うと思うけど」

「一兄を追いかけるのに有利な服が良いんじゃない?」



遊子と夏梨も色鮮やかなドレスに興味津々なのは良い、だが!

兄をこれ以上ドン底に叩き落すのは止めてくれ…(涙)

結局、井上さんは面白がってタキシードを着る事にしたらしい。



「黒崎君がドレス着たら、一緒に写真撮ってね♪」



そうですか、貴女が新郎なんですね。

誰もが突っ込みたい心を押さえ込み、天然の少女に拍手を贈った。



「じゃ、頑張って逃げろ」

「それが父親のセリフか!?」



一心に手渡された時計と励ましに反論しつつ、真咲母さんには何も言えない所が一護らしい。

母親は微笑み



「大丈夫よ、お母さんも参加するから♪」



留袖からスーツに着替え、長い髪を一つに結わえた真咲さんは凛々しいのだが

全然フォローになってないです。

寧ろ落ち込みへの後押ししてますから!



「もう…なるようになれっってんだ〜!」

「スタート!」



一心の開始の合図と、一護の悲鳴が重なった。





勝利者は…、誰?









END