くだらない。 友情だの愛だの恋だの、俗世にまみれた周りの目とか。 全てくだらない。 −そんなもの、人生の何の役にも立ちはしないというのに。 何かを求め、手は届かず。 「いぃーっちぐぉおー!! 飯食おうぜー!」 「おう。今日どこで食う?」 「やァっぱ屋上でしょー!!」 「了解。…水色は?」 「日直じゃん、あいつ。越智さんとこ行ってるー」 「なるほど」 昼食を持って席を立ち上がった。俺に従ってチャドも立ち上がる。 くだらないものだ。 友情も愛も恋も、世俗にまみれた周りの目も。 俺にはいらないものだ。 俺に必要なものは、俺の人生の役に立つものだけ。 ただ、これだけ。 「おーい石田ァ、お前も一緒に昼食うかー?」 「…別にどっちでもいいよ」 「じゃ一緒に食おうぜ」 「…わかった」 別に何も必要ない。 役に立つか立たないか、それだけあれば。 強い霊力は俺には必要ない。けどあったほうが役立つこともあったりするから。 死神の力だって欲しくて手にしたわけじゃない。 ルキアだって助けたくて助けたわけじゃない。あいつは居たほうが俺には都合が良いから。 チャドはそんな俺のことをわかってて側に居てくれる。こいつだけは他とは違う。 でも啓吾も水色もたつきも井上も石田もルキアもコンも、俺にとっては人生の駒。 たつきも俺が「こう」とわかっていて接してくれている。 そう、これはゲームなんだ。 必要なもの、役に立つものを生かしておいて、不必要なもの、役に立たないものを切りすてていく。 これはゲーム。そう、チェックメイトされたらオシマイ。 チェックメイトしたらオワリ。 俺がキング、相手もキング。一対一の、相手が誰かもわからないままの不確かなゲーム。 まわりの奴等はナイトにルークにビショップにポーン。クイーンは特別にチャドだな。 俺の周りで良い動きをしてくれるのを期待してるぜ。 まあ、最も俺はお前らが殺られそうになっても助けてやんねえけど。 だって、キングはチェックメイトされる立場なだけで助けてやるとか守ってやるとか言ってねえし? 王様だから命令するだけ。周りに守られてるだけ。 −そう、これはゲームなんだ。 人生という名の、命をかけたゲーム。 最後まで生き残ったキングに与えられる称号は「人殺し」。 さあ、やってやろうじゃねえか? かかってこいよ、まとめてよ。 そしたら、俺の忠実な部下が相手してやんぜ? −NEXT?− |