スレナルで四代目存命。






あるつきのばんに







「どうしてこんな事になってるんだろうね。」
「人手が足りないって言ったのはアンタだろ?」
「だけど君だけは特別だったんだよ。」
「火影様が贔屓しちゃあいけねーんだぜ。」
「うん。・・・でも、だからって暗部は無いでしょう、と俺は思うわけですよ。」


毎夜毎夜、血の臭いを纏わせて帰ってくる金色の子供。
それを見て胸を痛める程度には、俺もまだまだ人間なんだけど。



「里は慢性的な人手不足で、オレはこの通りの忍、だ。」
「力なんか持たずに生まれて来てくれればよかったのに。」
「だから火影の言う台詞じゃねーだろ。それ。」
「いいんだよ。オフレコで本心暴露中だから。」

ニッコリ笑う四代目にナルトの頬が引きつる。
全くもう、と溜息をつけば、クスクスと苦笑が返って来て。

「・・・やっぱり血筋かなぁ。」
「当たり前だろ。」
「どっちに似ても君は優秀になるもんねー。」
「まぁそうだな。」
「ナル君、もうちょっと何か喋ってよ。ツッコミとか。」
「・・・だって本当のことだし。なぁ、四代目様?」
「あはは。」


否定は出来ない。
だって誰に聞いても答えはYesだろうから。
傲りでもなんでもなく。それは事実として。



「今夜はもう終わりでしょ?」
「オレの知らねー間に新しい仕事が入っていないなら。」
「俺がそんなことするわけ無いよ。」

クスリと笑って四代目が手を伸ばす。
その手を握るナルトの表情は些かしかめ気味。

「何で毎回。」
「俺がしたいから。」
「いい大人のくせに。」
「大人で、人の親だから、だよ。」
「あーはいはい。」

手を握って、窓から外へ。

「さぁ帰ろう。」








火影の手足となり、影に潜み、夜に舞う。
こうする事が親孝行だって言ったら、アナタは悲しむだろうか。