この感情をどう表現すれば良いのか。







君の為に僕は生きよう〜目覚めは訪れ〜







ライナが目覚めた・・・!


ガラスケースから出された彼は、前もって用意されていた個室に移された。
運ばれている途中微かに意識があったようだが、今は部屋のベッドで眠っている。
他の者は皆下がらせて、この部屋には俺とライナしかいない。
俺はライナが眠るベッドの横に腰掛け、その安らかな寝顔を見つめる。

「ライナ・・・この時をどれほど待ったことか。」

幼き日に出会った彼。
俺の体はここまで大きくなったが、その間彼はずっとこのままの姿だ。
そして俺は、この姿の彼をずっと・・・ずっと見守ってきた。

さあ、その瞳に俺を映してはくれないだろうか?
そして・・・

「・・・・・・っ」

彼が、目覚める。
黒い瞳の中にうっすらと浮かび上がる朱の五方星。
そんな、目覚めたばかりでぼんやりとしているライナに声をかけた。

「おはよう。ライナ。気分はどうだい?」

彼が声に反応してこちらを向く。
瞳には俺の姿が映りこんだ。

「ぎん、いろ・・・・・・。だ・・・れだ?」

銀色・・・この髪のことだろうか。

「俺はシオン・アスタール。この国の王さ。」

彼は少し考えるように間をおいて、

「シ、オン?」
「そう、シオンだ。」

俺がそう言うと、ライナ微かに笑みを浮かべ、ゆっくりとこちらに手を伸ばしてきた。

「ライナ・・・?」

彼の手が、髪に触れる。



「・・・眠い。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

パタリ。
彼の手は力を失い、その本人は一気に夢の中へダイブしてしまった。
すぅすぅと気持ち良さそうな寝息が聞こえる。

コレが彼とのファーストコンタクト・・・・・・
ちょっと泣いてもいいですか?








日記連載からの再録(?)です。

ギャグに走るとこうなった・・・
シオンはヘタレでライナはマイペース。

(05.03.25初up)