----------浦一←夜
□狂愛

「喜助、・・・これは、なんだ?」
筒状のガラスケースに入ったソレ。
たぷん、と中の液体を揺らして夜一が手に取る。
しかし「なんだ?」と問うた夜一の顔はソレが何であるのか気づいてしまっているようだった。
否、ソレが一体何なのかと問うているのではなく、どうして此処にこんなものがあるのかと言っているのかも知れない。
透明のガラス。中の液体も無色透明。
そして、液体の中に浮かぶ白色と琥珀色で構成された二個の球体。
「綺麗でしょ。アタシの今一番のお気に入りなんスよ。」
応えた声は本当に嬉しそうで宝物を自慢する子供のよう。
夜一からガラスケースを受け取って愛しそうに見つめる。
球体からはそれぞれ一本の筋が伸びており、その二本は水中でつかず離れず漂っていた。
「本物・・・であるはず無いか。」
あまりにも精緻なソレに、これが本物でなくても性質が悪すぎるがな、と呟く夜一だが、そんな彼女に男は不思議そうな顔をした。
そして、告げる。
「本物っスよ?」
白色と琥珀色で構成された二個の球体。
そこから伸びる筋―――視神経。
文机の上に何気なく置かれていたソレは、夜一にもそしてこの浦原喜助にも見慣れたはずの「彼」の眼球だった。





----------浦一前提一護総受け(一護スレ気味)
□残り二年ということで
(例えば雑誌片手に相手の顔すら見ずに答えていれば良いと思う)

浅野啓吾
「いっちごー!!結婚しようぜ!」
「あんまり度が過ぎると変態の烙印押されちまうぜ。」

朽木白哉
「一護、兄もルキアの義理兄になるつもりは無いか?」
「無いね。」

石田雨竜
「黒崎。君は教会と神社、どちらが好みだい?」
「お前が先に選べよ。俺は残った方にするから。」

石田竜弦
「一護君、病院の院長婦人になる気は無いかい?」
「とりあえず同い年の息子は要らない。」

市丸ギン
「一護ちゃん、新婚旅行は何処がエエ?」
「市丸ギンっていう銀髪の男が居ない所なら何処でも。」

藍染惣右介
「黒崎くん。そろそろ君と私の婚儀について――」
「ごめんマジうざい。」

浦原喜助
「一護サン、結婚しましょうv」
「・・・・・・・・・・・・・・・式の日取り、いつにしよっか?」





----------乱一パラレル
□似合わない場所、似合わない子供。私の救い。

「おねーさん。そんな所で何してんの?」
都会。路地裏。薄汚れた夜。
顔を伏せて蹲っていると、突然そんなものには無縁とも思える声が降ってきた。
見上げれば、ギラギラといやらしく光るネオンとは真逆の、優しくて暖かなオレンジ色。
「どうせそんな所に蹲ってんだったら、俺んとこに来なよ。温かい飲み物くらいだせるから。」
気づいた時には、そう言って伸ばされた手を、私はしっかりと掴んでいた。
「俺は一護。おねえさんは?」
「…あたしは乱菊。」
「そ。よろしく、乱菊さん。」
一護と名乗った子供は、にこり、と眉間に皺を寄せたまま不器用に、けれど美しく笑う。
そうして、彼は私を暗い路地裏から引きずり出した。
この後、私は連れて来られた都内屈指の高級マンションを見て目をむくことになる。





----------誰か(女)←狂一護
□天国より野蛮 ver.1

それはそう、衝動的に。
例えば、今にも折れそうなその首筋を目にしたとき。
例えば、白く繊細なその指に触れたとき。
その首を折ってしまいたい、その指の骨を粉々に砕いてしまいたいと思う。
予兆も何も無く、ただ突然訪れるその衝動は、皮膚一枚を隔てて体の中をぐるぐると渦巻き、突き破って外に出る瞬間を今か今かと待ち構えているのだ。

そして俺は、今日も突然降って沸いたその衝動を押し殺しながら君に笑顔を向けた。





----------浦一(浦原←狂一護)
□天国より野蛮 ver.2

例えばその喉かき斬って今すぐ殺してやろうとか、逆にその温かな腕でこの身を抱き締めて欲しいとか。
一般的に見れば矛盾した思いがぐるぐるぐるぐる胸の内で渦巻いている。
腹の底が重たくなって、脳裏を月色が掠めるたび、手の平には爪跡が付いた。
馬鹿らしいとは正直思うけれど、止められないものは仕方が無い。
だって今、こうしてどうにも出来ないのだから。
ぐるぐるぐるぐる渦巻く思い。
口にしたら周りが驚くんだろうなァと頭の片隅で考える。
殺人願望を抱く時点で既にアウトだろうけど、殺したい奴に抱き締めて欲しいなんてオカシイだろ?
一般的には。
でも俺的にこれは矛盾でもなんでもなく、それなりの感情。それなりの思い。
とりあえず誰にとっても解ることを上げるとすれば…そうだな。
どっちも温かい。
動脈から吹き出る血液と、抱かれて浸み込む体温と。
それは、愛情が的確に伝わる魅惑の温度。





----------浦原×スレ一護
□愛しい貴方に断罪を

「お前なんかいなけりゃ良かったのに。」
「・・・え?」
聞き慣れた声の聞き慣れぬ言葉に浦原は振り返った。
そこにいたのはオレンジ色の髪が特徴的な子供。
眉間の皺はそのままに、けれども誰もが見惚れるほど綺麗な笑みを浮かべていた。
「お前なんか、いなけりゃ良かった。」
ニコリ、と微笑んだまま少年はもう一度同じ言葉を告げる。
真っ直ぐに浦原を捉える琥珀の双眸は「お前」が浦原自身であることをはっきりと示していた。
言葉を失う浦原。
自分が何を言われているのか、少年が何を言っているのか、理解したくもないと頭の中で激しい拒絶が起こる。
しかし同時に、ようやく与えられた糾弾に安堵が広がっていくのも感じた。
「・・・ええ。そうですね・・・」
「そうだよ。アンタがいなけりゃ俺はこうして"アイツ"を恐れることも無かった。アンタがいなけりゃ破面は生まれなかった。アンタがいなけりゃ何も起こらず平和【いつも】が続くはずだったのに。」
少年の口から容赦なく紡ぎだされる『事実』。
それを静かに受け止める浦原はただ困ったように笑っていた。
そんな浦原を少年はすっと表情を消して見つめる。
「ねぇ。何でアンタはここにいんの?何で存在なんかしてんの?」
少年による存在の全否定。
しかしそれは浦原に涙が出るほど大きな安堵をもたらした。





----------ルキア+一護
□歯車は最初から狂っていた

なぁ、ルキア。
どうして死神はあの人を助けてくれなかったんだ?
尸魂界から事前に知らせが入るんだろ?なのにどうしてあそこには死神がいなかったんだ?
どうして空座町の担当死神はグランドフィッシャーからあの人を守ってくれなかったんだ?
あいつが強いから?だから応援を呼んでたとでも?・・・それがどうした。
一般人を虚から護るのがお前らの仕事だろ?

歯車の軋む音がする。
僅かな歪みがやがて全てを壊すことに、私はまだ気づいていなかった。






















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