----------浦一
□これで満足?

「キミが好きですよ。」
そう言って笑った顔は・・・・・・嗤っていた。





----------浦一(甘)
□ちょっとした大きな後悔

「あ〜あ。」
「・・・?どうしました、黒崎サン。」
「んー?いや・・・もっと早くアンタと出会えてたら
もっともっと一緒にいる時間も得られたのになぁ・・・って。」
「どっかいっちゃうんスか・・・?」
「違うって。ただ、これからもずっと一緒にいるんだから
もっと一緒にいたいって思ってもそれ以上長くは出来ないんだよなって。」
「・・・・・・アタシ、幸せ者ですね。」
「浦原。オマエ顔まっ赤。」





----------浦一
□CHANGE!! 1

「いやいや、ちょっと待て。何で俺が目の前にいるんだ?」
そう言ったのは金髪の男で。
「さ、さぁ・・・アタシにもさっぱりっスよ。」
と答えたのはオレンジ色した髪の少年。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「オマエ、何かやった?」
「やったといえばヤりまし・・ガフッ!」
右で綺麗なアッパーカットを決めた男は、こめかみを引きつらせて少年を睨みつけた。
ちなみに今の彼は眉間に深く皺が刻まれ尚且つ目元が朱に染まっている。
「く、黒崎サン。マジで痛いっス。て言うか、これ黒崎サンの体・・・」
「テメーが変なこと言うからだろ?」
ニッコリ笑う男の顔は―――黒かった。





----------浦一
□CHANGE!! 2

「これからどうします?」
「どうするってもなぁ・・・まだ今日明日が休みってのが幸いか。」
オレンジ色の少年が問い、金髪の男が眉間に皺を寄せる。
「・・・・・・とにかく親父に連絡すっか。」
「そうですね。・・・で、どっちがするんスか?」
「俺・・・かな。」
「よろしくお願いします。」
少年にそう言われた金髪の男は「ん。」と返して部屋から出て行った。





----------浦一
□CHANGE!! 3

繰り返される電子音。
金髪の男は受話器を持ったまま相手が出るのを待っていた。
プツ―――
『はい。こちら黒崎医院です。』
「・・浦原というものですが、一心さんはいらっしゃいますか?」
『少々お待ちください。』
そう言って電話の向こうの少女は一心を呼びに行ったようだ。
「今のは遊子か・・・」
"エリーゼのために"が流され、誰も聞いていないのをいいことに男が呟く。
しばらく待っていると曲が止まり、代わりに男にとっては聞きなれた声が聞こえてきた。
『お電話替わりました。』
「こんにちは。一心サン。」
『浦原・・・オメーいきなりどうしたんだよ。』
「・・・・・・・・・・・・」
『浦原?』
喋らなくなった男に、電話の向こうの一心は訝しげな声を出す。
すると男は―――
「いや・・・実はちょっと厄介なことが・・・」
『・・・どうした?』
「あ〜・・・実はな、親父。」
『ちょっと待て!オメーに親父呼ばわりされる謂れはねえぞ!?』
電話越しに怒鳴られ、金髪の男は受話器を耳から遠ざけた。
しばらくそうしていたが、これでは埒が明かないと、男は息を大きく吸い込んで叫び返す。
「だから話を聴け!このバカ親父が!これが"厄介なこと"なんだよ!」
『・・・・・・はぁ?』
「むかつくなぁその言い方。じゃなくて、俺、一護。わかる?」
『どう聞いたってその声は浦原だろ?』
「言い方変えるわ。俺、中身が一護なんだ。」
『・・・・・・・・・・・・』
「おーい。大丈夫か?親父。」
『・・・スマン。一応わかったが、その声で親父と呼ばないでくれ。』
「お、おう。・・・・・・浦原と替わろうか?」
『そうしてくれ。』





----------浦一
□CHANGE!! 4

金髪の男に替わり、今度はオレンジ色の髪の少年が受話器を握っていた。
「もしもーし。一心サン、お久しぶりです。」
『・・・微妙だな。』
「そう言わないでくださいよ。アタシだって混乱してるんスから。」
『そりゃそうだろうが・・・一体なんでまたこんなことに?』
「さぁ?起きたらいきなりこんな状態でしたし・・・」
『オメー何やったんだよ・・・』
「黒崎サンと同じこと言ってますねぇ。そりゃァもちろんヤって・・「浦原。」
少年の声を遮るように男が後ろで名を呼ぶ。
「オマエ、少しは学習しろ?」
「は、はい・・・」
オレンジ色の少年が振り返ると、男が真っ黒な笑みを覗かせていた。
『おーい。どうした、浦原。』
「い、いえ。なんでもないっスよ。」
受話器からの声にそう返すと、少年は小さく小さく溜息をついて口を開く。
「それじゃァ一心サン。一応、息子さん預かってても良いっスか?」
『ま、しゃーねーかなぁ・・・オメーのほうが何とか出来そうだし。』
「頑張ります。」
『頼んだぞ。』
「ええ。」






















BACK