[ BLEACH で Black Lagoon パロ ]
レヴィ・・・一護 ロック・・・浦原 「ああ゛?チンタラやってんなよキスケ!置いてくぞ!!」 「わ、ちょ。待ってくださいよ!」 不機嫌そうに此方を振り返り『彼』が僕の名を呼んだ。 その手に掲げられたのは拳銃。種類は判らないがフルオートで弾を吐き出すタイプだ。マシンガン、で良いのか? とにかく、彼はそれを二丁。左右の手に持ったまま、更に視界に入っていないはずの“人だったもの”を苛立ち紛れに、そして正確に蹴飛ばす。 うわわ・・・。人だったオニーサン、すみません。 あなたが今そうやってガスガス蹴られてるのはたぶん、いえ、きっと僕の所為なんだと思います。 鉛玉で質量を大幅に増した男性に向かって心の中で合掌。 僕は先刻の銃撃戦により腰を抜かしていて、この場から撤収しようとしていた『彼』の足を引っ張る状況に陥っていた。 と言うことで、今目の前で彼が不機嫌度をかなり高いところまで引き上げてしまっているのは、ひとえに僕の所為。 でも腰を抜かしてしまったのは仕方が無いと思うのだ。 なんたって僕はついこの前まで、こんな銃撃戦とは関係の無い一般人だったのだから。 ・・・で。なぜ銃撃戦があったかと言うと、それは彼がそういうオシゴトに就いているから。そして僕がそれに巻き込まれたのは、僕がそんな彼の仲間になってしまっているからである。 日本の一般的なサラリーマンの一人として某商社に勤めていた僕は資材調達という名目でこの地を訪れた結果、色々厄介なことに巻き込まれて『彼』が属する“運び屋”に捕まってしまった。というか、目的の物を手に入れるついでに誘拐された。 当初は身代金目的で僕を誘拐したらしいが、何と言うか結局、会社が裏切ってくれたわけで。 おかげで僕は死亡扱い。家族にもそれ相応の対応が成されたと言う。簡単に言ってしまえばお金が下りた、ということなんだけども。 そう言うわけで行き場を失った僕は、彼からの同情とかまぁそんな感じのものを受けて今の位置につくことになった。 つまり、とある珊瑚礁が美しい南の、マフィアと称される方々がはびこ・・・じゃなくて拠点にしていらっしゃる島の一角に棲み、そんなマフィアさん達から仕事を請け負って生計を立てる、実情はなんとも血生臭い生活を送るようになったのである。 「おいキスケ!!さっさとしねえと撃ち殺すぞっ!!」 ガチャ、と音がして銃口が此方を向いた。 いつも寄せられている眉間の皺が更に深くなっているのに気付いて、僕は慌てて足を動かす。 「すみませんっ!今行きます!!」 走り出した僕を見て彼はさっさと踵を返した。 視線の先で硝煙と血の匂いが濃く残る風を受けながらその短く鮮やかな色の髪が軽快に揺れる。 以前、自前だと語ったその髪の色は目の覚めるようなオレンジ。 周囲を血だらけにしつつも決して同色に穢れることのないその色を見詰めながら僕は彼の名を呼んだ。 「イチゴサン!待ってくださいってば!」 (二丁拳銃の一護が書きたかったはずなのに・・・。あれ?) (ちなみにブラックラグーンで好きなのはバラライカさんです。素敵。) [ 涼宮ハルヒの憂鬱 で ローゼンメイデン パロ ] ジュン・・・キョン 真紅・・・古泉 「まきますか、まきませんか・・・・・・なんじゃこりゃ。」 手には一枚の白い紙。 そこには先程読み上げたような選択肢と、どちらかを選んだ後に何をするか等が書かれていた。 場所は家、俺の部屋。 我が家の大人しすぎる猫・シャミセンもおらず、また最近お兄ちゃんと呼んでくれなくなった妹もこの部屋に突撃をかましてくる気配は感じられない。 俺はしばらくその意味不明の紙を眺めていたが、まぁ暇だし、と言うことでペンを手に取った。 「まきます・・・と。」 選択肢の一方を丸で囲み、書かれた指示の通りにそれを机の引出に仕舞う。 どうやらこれで人工精霊がプリントを持って行ってくれるらしい。・・・んなアホな。 そしてそんな冗談に付き合ってる俺も相当アホというか、暇人と言うか。 で。 結局数分待ってみたが、物音がすることも、ましてや引き出しが突然開くこともなく、ミジンコの目玉ほどは期待していた俺はちょっとばかり残念に思ってみたりみなかったり。 「・・・はあ。」 溜息を一つ零して椅子から腰を上げる。 何となく喉が渇いたのだ。 一階に行けば今頃妹がテレビに張り付いていることだろう。おそらくはシャミも一緒に。妹の子守、ご苦労だなシャミ。 しかし机から離れて扉へ向かおうとしたその時、俺は何かに躓いてフローリングと熱烈な抱擁を交わした。 「ってー・・・。なんなんだ一体。」 起き上がって足元を確認すれば、そこには立派なトランクが一つ。 全体の色は茶色で上部真ん中に薔薇を象った金色の模様がついている。 何だこれは。こんなもの、俺の部屋には無かったぞ? 訝しげにトランクを眺めていると、それがいきなりパカッと軽い音と共に口を開けた。 「・・・え?」 俺は何もしていない。ただ見ていただけだ。 トランクは俺が見ている目の前でひとりでに開いていく。 そして、中に入っていたのは―――。 「人、形・・・?」 ぱっと見、少年(もしくは青年)と思われる外見。大きさは、決して小さいと言うわけではないが、俺の腰ほども無いに違いない。 ビスクドールとでも言うのか、妙に白くて綺麗な顔をした人形である。男だがな。 しかもその人形が身に纏っているのはどっかの高校の制服と思しき衣服だ。なんだそりゃ。 人形は大きさを別にすればあまりにも人間っぽい外見で、俺はついついそれを手にとって見詰めてしまった。検分、である。 肌は温かくもなく冷たくもなく。しかし人肌のように柔らかい。 最近の技術は凄いな。こんな人間そっくりの人形が作れるなんて。 あ。何だこの穴。・・・ねじ穴、かな。 人形の背中に空いている穴とトランクの中に入っていた螺子捲き用の螺子らしきものを見比べて、そのままその螺子を手に取る。 もしかしてさっきの「まきますか、まきませんか」はこのことを示していたのだろうか。 まさかな。 だがとにかく、人間と言うものはボタンがあれば押したくなる、螺子があれば捲きたくなるものである。 そんなわけで俺も螺子を穴に差し込んで軽く捲いてみた。 カチカチカチという音がしてしっかり螺子が捲けている感触が手に伝わってくる。 捲き終えた後、人形の顔を此方に向けてどうなるのか眺めていた。 すると突然、人形が目を開けて俺を見返してくるではないか! 「うおっ!?」 驚いて人形を放り出してしまうが、なんとその人形、くるりと華麗に宙返りをして床の上に降り立った。 「な、なななな!?」 「はじめまして。僕は古泉一樹と申します。螺子を捲いてくださったあなたの名前をお伺いしても?」 にこりと綺麗な微笑を浮かべ、その人形はまるで生きているかのように自己紹介。 これが、ローゼンメイデンという奇妙な人形・古泉一樹と、後にそのミーディアとなる俺の出会いだった。 (アリスとかお父様とかどうでもいいから、とにかくキョンとずっといられるように頑張りそうな古泉。古→キョンで。) (古泉のサイズを1/1にするか1/2以下にするかで迷った・・・。理由は察してください・笑) |