BLEACH(浦+一以上浦→一未満/恋次&白哉登場前)



[変換ミスで10のお題]
片言自在(へんげんじざい)



「・・・ンね、・・・・・・きサン。」

「・・・・・・今なんか言ったか?」

「いいえ。空耳じゃないっスか?」

「そっか。」


そう言ってキミは私から視線をはずした。



口に出すつもりは無かったのだけれど、ついつい声になってしまったらしい。

謝罪の言葉が。


ゴメンね。

これからキミを利用させてもらいます。


キミの力を。

キミの心を。

キミの魂を。



最初は何の感慨も無くやるつもりだったのだけれど、

キミとこうして親しくなっていくうちに後ろめたさと言うものを感じるようになってしまった。


おかしいな。

親しくなるとは言っても外面だけのつもりだったのに。


おかしいな。

こんな気持ちになってしまうなんて。





ゴメン。

ゴメンね。

ゴメンなさい。

その気持ちが出てしまったのだろう。

さっきの言葉。

気持ちの一部が言葉の一部として。


言葉を、心を、自在に操れなくなってきている。

それほどまでに大きい、この想い。


ゴメンね。

でも、やめないから。

だからこそ、ゴメン。




こんなこと思う資格は無いのかもしれないけれど、

願わくば、キミがアチラで後悔などすることのないように。




本当に自分勝手でゴメンね。



















BLEACH(浦一)



[変換ミスで10のお題]
望遠狂(ぼうえんきょう)



「少し欠けてるっスねぇ。満月にでもなっていれば良いものを・・・」



明かりを消した部屋の窓枠に腰掛け、浦原が空を見上げて呟く。

その視線の先には少し欠けてしまった月。

金とも銀ともつかぬ色で優しく下界を照らし出している。


その光を浴びつつ、ベッドの上に座って同じように空を見ていた一護は、

ぽつりと呟いた浦原に視線を移して笑いかけた。


「そんなことねぇって。俺はあんな月も好きだぜ?」



眉間のしわを残したまま淡く笑う一護に目を合わせ、浦原は無言でその頬に手を添える。

親指で一護の目元を撫で、閉じられた瞼に軽くキスを落とした。

そしてオレンジ色の髪を梳きつつ浦原は再び空に目を向けて月を見る。

一護もうっすらと目を開けて同じ方向を向いた。



「黒崎サンにそう言ってもらえるんでしたら、アタシも月になりたいですねぇ・・・」



本気なのか冗談なのか分からないセリフ。

言った本人は気づかないが、それを聞いて一護の眉間のしわが深くなる。



「そんなこと言うな。」

「え?」


いきなり不機嫌そうに吐かれた言葉。

それと同時に腰に手を回され、驚いた浦原は一護に顔を向け直す。

見ると一護は顔を伏せ、さらに腕に力を込めてきた。


そのまま一護は言葉を続ける。


「そんなこと言うなよ。月になりたいなんて・・・・・・・・・手が・・・手が届かなくなる。」

「黒崎サン・・・」



不機嫌というよりむしろ悲しそうに出される言葉に、ただただ浦原は一護の名を呼ぶ。



「俺は月がアンタに似てるから好きだって言ったんだよ。」



伏せていた顔を上げ、一護が浦原の目を見た。



「だから、月になりたいなんて思わないでくれ・・・

月は遠すぎる。此処からじゃ見ていることしか出来ない・・・・・・」



腕を腰から首に移し、一護は膝立ちになって浦原と額をくっつける。

ゆるりと目を閉じてから、一護の口元が自嘲気味に弧を描いた。


「そんな事になったら、俺は絶対に狂うよ。

こんな風にアンタに手が届かなくなったら・・・遠いアンタを見ていることしか出来なくなったら、俺は狂ってしまう。」

「・・・随分と大胆な告白っスね。」

「茶化すな。今すぐさっきの言葉を撤回しろ。」



クスリと笑う浦原を一護はすぐ近くから睨みつけた。

そんな一護に、表情を楽しそうなものから穏やかなものへと変えて浦原が告げる。


「そうですね・・・アタシは月になんてなりませんし、なりたいとも思いません。

キミのもとを離れることなどありません・・・いつでもその手の届く所にいますよ。」

「当たり前だ。」





一護が満足そうに微笑み、浦原に口づけた。



















BLEACH(浦一)



[変換ミスで10のお題]
迷姫(まいひめ)



「し、失礼しましたぁ!!」

「ちょ・・・黒崎サン!?」



呼びかけを無視してその場を飛び出した。


何なんだ!今のは一体何なんだ!?

顔が熱くてしょうがない。

礼儀とか全部どこかへ行ってしまって、あそこから全力で逃げ去った。

いつも通りアイツと・・・浦原と話してただけなのに。

俺は学校のこととか昨夜の仕事のことを話して、アイツがそれに相槌打って。

いつもとなんら変わらないものだったのに。

ただ、手が触れただけで―――



『あ、ごめんなさいね・・・・・・黒崎サン、どうかしました?』

『・・・・・・』

『黒崎サン・・・?顔が赤いっスよ?熱でもあるんじゃ・・・』

『・・・!お、俺帰る!』

『え!く、黒崎サン!?』



――― 一体どうしたんだ!俺は!

ただ手が軽くあたっただけだろ!

そんでちょっとアイツの顔が近くにあっただけだ。


くすんだ金髪。それはまるで夜空に浮かぶ月。

いつもは帽子の影に隠れて見えない瞳。翡翠みたいな、でも不思議な感じの色。

目鼻立ちもすっきりとしていて・・・


ヤバイ。また顔が熱くなってきた。

あぁもう、なんか泣きそうだ。

顔は熱い。鼓動が激しい。頭はこれ以上無いってくらいに混乱中。

どうしたら良いのかこれっぽっちもわからない。

この気持ちは何だ?





+++++++++++++++++++





「店長・・・黒崎殿が・・・」

「ウン。わかってるよ。・・・もう可愛いなぁ黒崎サンは。」


そう言って浦原が立ち上がる。


「それじゃ、まだまだ幼いアノ子にいろいろ教えて差し上げましょうかね。」



―――まずはキミの気持ちから。


「逃がしてあげる気なんてこれっぽちも有りませんから。観念してくださいね、黒崎サンv」

















BLEACH(浦一)



[変換ミスで10のお題]
遺心論(ゆいしんろん)



迷わず 恐れず

立ち止まらず 振り返らず

遺してゆくものたちに 想いを馳せず

ただ 前に進むのみ













キミはその言葉の通り、心を遺さず行ってしまった。

勝つからと。

勝って戻って来るからと。



とても潔くて、アタシはそれが誇らしかった。





けれど。


けれど同時に、その心の一片ヒトカケラすら遺さず行ってしまったキミを

アタシは少し寂しく思う。





アタシ在る此方こなたにキミの心は無く、

キミの心在る彼方かなたにアタシは無し。


キミはキミの心ごと遠い所へ行ってしまった。





この空が繋がらぬ世界へ。

見上げた月すら異なる世界へ。



















伝勇伝(覚醒ライナ×ライナ/長編一巻・対エスタブール魔法騎士団戦のとき)



[変換ミスで10のお題]
楽下傘(らっかさん)



落ちる堕ちるオチル・・・











嗚呼、なんて楽しいのだろう。

久しぶりだ。この感覚は。

全てが研ぎ澄まされてゆく。

頭は冷えていき、世界は最も解りやすいカタチへ。







彼が落ちる。落ちてくる。


空気抵抗なんてものは無い。

だから落下速度は上がり続ける。

どんどん速くなって、そうして私のもとへと辿り着く。



(早く来い。お前は私のものだ。)





彼が落ちる。落ちてくる。


その速度を緩めるものなど無い。

まっすぐ。鉛直下向きに。

重力加速度だけが彼にかかる。



(今こそ契約を果たそう。)





彼が落ちる。落ちてくる。


彼の大切なものが全て無に帰していく。

それでいい。

そうでなくてはいけない。



さぁ終わらせよう。

全てを。

望むままに。

解放する。

開け。

殺せ。

全てだ。



目に見えるものが全て消えるまで・・・・・・









αはじまりは破壊だ。我はなにも生み出さない。恵まない。ただ消すだけ。真っ白に」























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