宇宙人よりも、未来人よりも、超能力者よりも。
何よりも最初に神が望んだのは、たった一人の男の子だった。

「あたしをみとめて。あたしをうけいれて。あたしをこうていして。」

己の言葉を否定せず、己の望みを受け入れて、共に笑いあえる存在を。
神はそう望んだ。
その存在が女ではなく男だったのは、やはり神が「少女」であったためだろうか。
神―――その少女は己が望んだことに無意識ながらも気付いていたのかいないのか、力を発揮するようになってから三年間、己と付き合って欲しいと言って恋人というカテゴリに当てはまることを希望する少年達の申し出を拒むことが無かった。
少女もそのうちの誰か一人が己の望む存在であることを願っていたからだ。
しかし少女の願いも虚しく、少女に近寄ってくる少年達は誰も彼も少女が望んだ存在ではなかった。
その度に少女は怒り、また悲しんだ。
けれど、三年後。
少女はついに己が望む存在と出逢った。
















「あの時あなたをアダムと言った例えは、案外間違っていなかったということですね。しかしまあ、神はアダムがイヴにとられることを知っていたせいか、対となる女性を創らなかったわけですが。」

そう言って目の前の男はあまりにも不出来な笑顔を浮かべた。
なあ古泉、俺はお前が何を言っているのかさっぱりわからんよ。








神が望んだ少年の話

『鍵』などではなかった。少年は神の願いのカタマリだったのだから。









「キョン=神」説のあとに持ってくるべき話ではないような気がしますが。
・・・まあ、電波ですから(痛)

古泉の表情から古→キョンっぽさを感じ取っていただけると幸い。