「楽しくない。」 きっぱりと告げられたその台詞の意味を、ウルキオラは最初全く理解出来なかった。 言葉を発した本人は窓辺に腰掛けて月を見上げている。 しかしその隻眼は本当に月を見ているのか。 "彼"が見ているのは・・・。 しばらくの沈黙の後、ウルキオラはその人物の言葉の意味を悟って、そうか、と静かに呟いた。 「ならどうする。壊すか?」 「ふふ、それもいいね。・・・どう?ウルキオラ、君も一緒に。」 振り向いたその顔はきゅう、と目を細めて無邪気な笑みを形作る。 疑問系の言葉を発しながらも答えは一つしかないということを初めから知っている表情だ。 ゆえにウルキオラはそんな相手に対し軽く肩を竦めて見せ、口元に微かな弧を描きながら一つしかない答えを音にした。 「そうだな。俺も縛られるのにはとっくに厭きた。…一緒にこの体制を壊そうか、ディ・ロイ。」 生まれ落ちたのは反逆者二人。 |