彼らは、一人の死によって訪れた『終焉』を奏でる者達。
wirepuller 0.5 セカイはたった一人のヒトで成り立っていた。 必要なのはたった一人だった。 そう、彼こそが僕の全てでありセカイそのものだった。 『黒崎一護?存じませんね。我が一族にそのような名前の者が存在した記録はございません。』 『その名は禁句です。今はもう、彼の全てが無かったことにされているのですから。』 僕のセカイはこの世界とこの世界の王に殺された。 だから、僕は。 「全てを滅ぼす。」
元は青い癖に光の加減で赤くなる。
この奇妙な眼を最初に褒めてくれたのが彼だった。 それはキッカケに過ぎない。 けれど私はその時、生まれて初めて恋をした。 秘めた恋だ。叶うはずのない。 それでも血の滲むような努力をして私は彼の元へと辿り着いた。 ・・・それなのに。 「あの方が居らん世界なんか、まっぴらゴメンや。」 色褪せた世界で私は彼だった砂粒を抱き、そうして全てに別れを告げる。 いつか再び出会えることだけを祈って。 部下が死んだ。 虚に殺された訳ではなく、事故にあった訳でもない。 その手で己の命を絶ったのだ。 かつて唯一の上司が座っていた席に着き、しかし白の長衣は纏わずに。 私は残った部下へと笑いかける。 「彼女が羨ましい、と言ったら君はどうします?」 「同意を返した上で忘れましょうと告げますよ。」 泣きそうな表情で部下は言った。 きっと私も同じような顔をしているのだろう。
昔の父はもっと違う人間だったと弱い母が言った。
自分は醜い生き物だと冷徹な父が言った。 どこか壊れた家庭の中で、“あの方”を失ってから全ては変わったと二人が言った。 そしてボクは存在を消された“あの方”を知る。 「虚の力を持った死神っスか・・・。この世界も、また面白そうなものを隠していたモンだ。」 父が遺した文献を漁って見つけた真実。 これが禁忌とされる研究の始まり。 |