the last day of the year











浦原商店の奥、その主人・浦原喜助が眠る部屋の中に
二つの気配が存在した。


カチリ。
時計が午前0時を刻む。


「浦原・・・」

まだまだ成長途中だと思われる、若い声。
暗闇の中なのでその太陽のような美しい髪を見ることは叶わないが、
声が黒崎一護のものだという事は、この空間では至極当然のことだと言えた。

「はい?」
それに応えるのは部屋の主である浦原喜助。
こちらも暗闇で見ることは叶わないが、
友人である夜一ですら見たことがないような
優しげな笑みを浮かべている。

今宵は12月30日・・・・・・いや、先ほど31日になったばかりか。
そんな中、一護が続ける。

「浦原・・・誕生日、おめでとう。
アンタが生まれてきてくれた事、そしてこうして出会えた事、
本当に嬉しい。スゲェ感謝してる。」

それはあまりにも純粋な言葉。
着飾ることのない、そのままの気持ち。

「・・・・・・ッ」

一瞬、息が詰まった。

「うら・・・はら?」

この気持ちをなんと言おう。

どうすればこの喜びを表せるのだろうか。
己の正確な齢すらわからぬほど生きてきた中で
これほどまでに生まれてきて良かったと思えた事はなかった。

ギュッと
強く一護の体を抱きしめる。
まるで、彼に縋っているかのように。

「・・・ありがとうございます。」

やっとの思いでしぼり出せたのはそんな言葉だけ。

「どうしたんだよ浦原。」

少し笑っているような一護の声。
でもそれは、慈愛に満ちた優しい声色だった。

そうして一護は己の肩に乗せられている月色の髪にキスを落とし、
その髪を優しい手つきで何度も何度もすいていた。

今年最後の日を、彼が幸せの中に過ごせることを祈って。























浦原氏誕生日小説。ホントもう、意味不明ですな。

って言うか、アンタら先刻まで一体何してたんだ(笑)

あ、一護が浦原の誕生日を知っていたのは

きっと夜一さんが教えてくれたんですよ。

敵に塩を送ってしまいましたが、それはまぁ誕生日だと言うことで。

(ウチのサイトでは夜一→一護もありです)












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